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余録

「『完全な陰謀』は(その存在を)証明できない」…

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 「『完全な陰謀』は(その存在を)証明できない」。これは1997年の米映画「陰謀のセオリー」でのメル・ギブソン演じるタクシー運転手の言葉だ。この男、いつも客にさまざまな陰謀論を話し続けるのだ▲「スペースシャトルは地震兵器だ」「100ドル札のフランクリンの肖像には追跡用チップが埋まっている」「ベトナム戦争はオナシスとH・ヒューズの賭けで始まった」などなど……。妄想扱いされると、先のように語ったのである▲そんな「陰謀のセオリー」が隠れた争点となりかねない今年の米大統領選となった。何しろトランプ大統領が、民主党のバイデン候補は「あなたたちが聞いたこともない、暗い影に潜む人々」の「操り人形」だと放言する選挙である▲「トランプ氏はワシントンの悪魔崇拝や児童売春の秘密結社と戦っている」とはQアノンと呼ばれる陰謀論で、トランプ陣営の集会での信奉者の姿が報じられる。氏自身は陰謀論を「聞いていない」としつつ自分への支持を歓迎した▲前回大統領選では投票日前にクリントン陣営による人身売買や性的児童虐待などの虚偽情報が流された。Qアノンはその流れをくむ陰謀論で、今回も選挙戦の動向次第でフェイクニュースの乱発などが投票行動に影響を与えかねない▲コロナ禍による郵便投票の拡大をめぐりトランプ氏が言いつのる不正投票の陰謀論は、選挙の後まで尾を引くことになろう。証明できる真実より、証明できぬ陰謀論が幅をきかせる今の米国政治である。

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