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社説

ドコモ口座で不正 金融扱う自覚があるのか

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 「虎の子」を扱う金融事業の責任の重さを自覚していなかったと言わざるを得ない。

 NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を通じて、提携銀行から預金が不正に引き出される被害が相次いでいる。11日までに提携35行中12行で73件、計約1990万円の被害が判明した。

 犯人は事前に何らかの不正な手段で他人の銀行口座情報を入手したとみられる。その上で本人になりすましてドコモ口座を開き、ひもづけた銀行口座から預金を引き出したようだ。

 ドコモの本人確認は「2段階認証」を採用しないなど、ずさんだった。フリーメールアドレスでも利用できたという。ドコモの携帯電話を契約せず、口座を開いた覚えもない人が被害にあっている。

 提携銀行のチェック体制も甘かった。不正が確認された地銀はドコモの安全対策を過信して、資金を引き出す際の本人確認をきちんとしていなかった。

 昨年5月にも、りそな銀行の口座で同様の被害が起きていた。だが、ドコモはこれを公表せず、銀行口座から移せる上限額を引き下げただけで済ませていた。

 直後にはセブン&アイ・ホールディングスの電子決済サービス「セブンペイ」が不正利用でサービス停止に追い込まれている。本人確認の厳格化が求められたが、教訓としなかった。

 それどころか、昨秋から自社の携帯契約者でなくてもサービスを利用できるようにした。携帯需要が伸び悩む中、KDDI(au)やソフトバンクは金融事業を強化している。出遅れを挽回するために、安全対策をないがしろにしたのなら経営責任は重大だ。

 情報開示もお粗末だった。ネットの書き込みなどで3日には問題を把握したにもかかわらず、記者会見は1週間後だった。問い合わせた利用者がドコモと銀行でたらい回しにされた例もある。

 ドコモは口座の新規登録を停止したが、「利便性を損なう」として既存口座のサービスは続ける。これでは被害を広げかねない。

 被害の有無は銀行口座を持つ人に確認してもらうしかない。まずは金融庁と連携し、利用者に協力を呼びかけ、被害の全容解明を急がなければならない。

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