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台風や豪雨で避難 コロナ下で命を守るためのチェックポイントは

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新型コロナウイルス感染防止のため間隔を空けた宮崎市の避難所=宮崎市立小松台小で2020年9月6日午後、上入来尚撮影 拡大
新型コロナウイルス感染防止のため間隔を空けた宮崎市の避難所=宮崎市立小松台小で2020年9月6日午後、上入来尚撮影

 豪雨や台風が日本列島に傷痕を残し、多くの方が亡くなったり、家を失ったりしています。自宅からの一時避難も全国的に頻発しています。ただ、今年は避難所での新型コロナウイルス感染が心配です。命を守るための避難で留意すべき点は――。静岡県元危機管理監で、防災の専門家育成プログラムの作成にも携わる静岡大防災総合センターの岩田孝仁・特任教授に聞きました。【聞き手・賀川智子】

 ――コロナ下での避難で心がけることは。

 避難には2種類あります。一つは津波や土砂災害などでの緊急的な避難、もう一つは家が被災して避難所で生活せざるを得ないケースです。いずれもさまざまな対応が必要ですが、コロナ感染が拡大しているからといって特別にすべきことは本来ありません。

 阪神大震災(1995年)では避難所で風邪が流行し、東日本大震災(2011年)でもインフルエンザがまん延した避難所がありました。基本的に感染防止策はどこでも必要なことで、多くの人が集団生活をするので、消毒したり、マスクをつけたりすることは避難生活での基本です。マスクなどの衛生グッズは日ごろから用意をしておくことが大事です。

知人宅、ホテルも 多様化する避難場所

 ――コロナを機に避難所の変化はありますか。

 7月の九州豪雨でも避難所の密を避けるため、行政は住民を分散避難させる工夫をしました。これまで体育館などの狭い区画に避難させられ、窮屈で密集状態だったのですが、学校の教室や、これまで使われていなかった新しい避難所を設定しました。コロナを機に住民側も衛生状態や感染防止に気をつけています。

 また、必ずしも避難所ではなくて、友人宅や知人宅、自宅周辺の安全な所で過ごせばいいと考えるようにもなりました。今まで固定的に「避難生活は体育館で」と考える人が多かったのですが、幅広いいろいろな避難場所の選択肢があると考えるいい機会になりました。自主的にホテルや旅館に避難する動きもいいことでした。

 ――それでも、感染を恐れて避難所に行くのを怖がる人もいます。

静岡大防災総合センターの岩田孝仁・特任教授 拡大
静岡大防災総合センターの岩田孝仁・特任教授

 例えば戸建て住宅で浸水被害の恐れがあったら、家にとどまるのはリスクが高く、早めに安全な場所に避難することが必要です。一方で、マンションの住民であれば、ライフラインさえ確保できれば上層階で過ごすことで十分です。選択肢はいろいろあるのです。そのうえで、「何が何でも避難所」ではなく、自分で安全な場所はどこか、どういう事態になったら避難するかを、日ごろから考えておいてほしい。

安否確認サービスの上手な活用を

 ――家族内で心がけるべきことは。

 家族は働いていたり学校に行ったりしています。いざという時に安否が分かるような仕組みを確保しておいてほしい。NTTのサービスに災害用伝言ダイヤル(171)がありますが、登録すれば自分がどこにいるかメッセージで分かります。携帯各社にも同じような安否確認サービスがあります。家族の安否さえはっきりすれば、例えば会社員がどうしても帰宅しなければならないということにはならず、そのまま社内にとどまるという判断もできます。無理をして「帰宅難民」になる必要はないのです。家族同士でどういう状況になったら自分たちはどう行動するかをきちんと組み立てておいてほしい。

避難所にとどまらない行政サービスの仕組み必要

 ――今後、行政側に期待することは。

 避難者を振り分ける「分散避難」を行政の計画の中に取り入れてほしい。行政として難しいのは避難者の所在が分散すると安否が分からなくなることです。自宅を離れて避難生活する住民を行政が把握できるような仕組みを構築してほしい。例えば「私は○○に避難している」と申告制で登録するといろいろな情報をもらえるようにするなどです。

 また、住民が避難所に集まる大きな理由は、物資や災害情報などの行政サービスが避難所に行かないと受けられないからです。つまり、食料などの支援が必要な住民は避難所に行かざるを得ず、自立しにくくなります。そうならないよう、必ずしも避難所に行かなくても行政サービスが受けられる仕組みを行政が組み立てる必要があります。避難所にとどまらない(情報共有などの)行政サービスがスムーズにできれば、コロナだけでなくインフルエンザなどの流行にも対応できます。

 ――子どものいる家庭への避難についてのアドバイスはありますか。

 子どもがいるとそれに応じた準備が必要です。それは親が事前にそろえるしかありません。また、親が不安に思うと子どもも不安になります。仮に避難しても避難先で安心して生活できるということを分からせるなど、いざという時に親が子どもを不安にさせないことが大切です。

【新型コロナウイルス】

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