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ルポルタージュ

「娘は悪くない」信じた家族 高校生死亡事故 証拠集め、2年2カ月後「運転手に過失」

事故現場に花を供え、通り過ぎる車を見つめる児玉由惟さんの母千穂さん=埼玉県八潮市新町で2020年6月24日午前10時23分、橋本政明撮影

 埼玉県八潮市で3年前の秋、自転車で登校していた女子高校生(当時16歳)が後ろから来たトラックにはねられて死亡する事故があった。トラックに過失はないとされたが、遺族が入手した映像の独自鑑定がきっかけとなり、運転手は2年2カ月後に一転して罪に問われることになった。「娘は悪くない」と信じ続けた遺族の日々をたどった。【中川友希】

 冷たい雨が降っていた。2017年10月19日午前6時半ごろ。「また雨かあ。行ってきます」。県立八潮南高校1年で野球部マネジャーだった児玉由惟(ゆい)さんは、授業前の部活の朝練に向かうため、自転車で自宅を出た。母親の千穂さん(47)は「車で送っていくよ」と心配して話しかけたが、雨が弱まったこともあり「行ってらっしゃい」といつも通り見送った。

 普段なら学校までは40分ほど。その頃、自宅にいた千穂さんの携帯電話が鳴った。「由惟さんが事故に遭ったので病院へ向かってください」。高校からの連絡だった。車で約20分の病院に駆け込むと、看護師は泣きながら「お母さん、ごめんね」と謝ってきた。容体は絶望的だった。

 顔に触れると、もう冷たく、真っ赤で可愛らしかった口は動かない。事故の衝撃を思いやった。午前11時1分、家族に見守られながら亡くなった。

 県警草加署は事故について、片側1車線の道路を直進していた由惟さんが何らかの原因で転倒し、同じ方向を走っていたトラックにはねられた――と発表した。自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で現行犯逮捕された男性運転手(50)は、約4時間半後に釈放された。遺族は「防犯カメラの映像から、自転車が(接触前に)転倒したと認められる」と説明された。

 事故が報道されると、…

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