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余録

春夏冬は「大三角」だが、秋はなぜか「四辺形」…

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 春夏冬は「大三角」だが、秋はなぜか「四辺形」。季節を代表する星の並びである。地上の残暑をよそに、東の夜空から「秋の四辺形」が姿を見せ始めた。ペガスス座の胴体にあたるが、一つはアンドロメダ座に属する▲翼のある天馬ペガサスは、ギリシャ神話に登場する。怪物退治で名を上げた英雄ベレロポンがペガサスに乗り天を目指したが、神の怒りに触れて墜落。ペガサスはそのまま天に昇り、星座になったという。四辺形は悲しい物語をはらむ▲<季節が過ぎてゆく空には/秋がいっぱいみなぎっています。/私はなんの懸念もなく/秋の奥の 星々をすべてかぞえられそうです。>(金時鐘(キムシジョン)訳)。叙情あふれる「星をかぞえる夜」を書いた韓国の国民的詩人・尹東柱(ユンドンジュ)も、この四辺形を見上げていたのだろうか▲尹は第二次大戦中、留学先の日本で治安維持法違反容疑で逮捕された。当時禁じられていた朝鮮語での詩作が独立運動に当たるとされた。27歳で獄死したのは、終戦の半年前だった▲折しも青年劇場が、尹と彼を取り巻く人々を題材にした舞台「星をかすめる風」を東京で上演している。星や風に哀惜の思いや希望を託した彼の詩は、いまなお民族や国境を超えて響く。世界のあちこちで人間の尊厳や魂の自由がないがしろにされているからであろう▲日韓関係もかつてないほど冷え込んでいる。あす自民党総裁選が投開票されるが、「負の遺産」を継承してはなるまい。夜空を見上げ、星の光を求めた詩人の思いが届かないものか。

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