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社説

GoToに東京追加 常にブレーキ踏む用意を

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 政府は10月から、観光喚起策「Go Toトラベル」事業の対象に東京都を加える方針だ。新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあると判断したためだ。

 コロナ禍で観光需要が激減し、宿泊などの関連業種で多くの雇用が失われた。東京が加われば、景気のてこ入れになる。

 ただ、東京ではなお、200人超の感染者が新たに確認される日もある。感染リスクが地方で高まることは避けられないだろう。地域医療に影響が生じないか、きめ細かく注意を払う必要がある。

 事業が始まったのは、全国で感染者が急増していた7月下旬だ。その後、沖縄県や愛知県が独自の緊急事態宣言を発令し、多くの自治体がお盆の帰省を控えるよう呼びかけた。

 地域への感染拡大を警戒する宿泊事業者は多い。事業者の約4割はまだ参加しておらず、恩恵を受けられない。

 延べ780万人以上が助成金を利用したが、航空や新幹線の需要は低迷が続く。マイカーで近場の観光にとどめた利用者も多かったようだ。

 大部分の利用者や宿泊事業者、自治体は慎重に対応し、感染対策を徹底した。このため、医療体制は持ちこたえている。

 これまでの観光地の取り組みや感染動向への影響を検証し、今後に役立てることが欠かせない。専門家は、事業拡大のリスクを分析し、注意点を提示してほしい。

 割引額が大きい高級宿泊施設に利用が偏っているとの指摘もある。地域経済を底上げするためには、支援が公平に行き渡るような予算管理上の配慮も必要だ。

 観光以外でも、4連休が始まる9月19日から演劇やスポーツなどの入場規制が緩和される。飲食店向けの支援策も準備が進む。

 感染が再拡大する兆候が見られた場合に事業を縮小できるのか、地域の医療をどう支えるのかといった議論を深めるべきだ。

 感染状況や医療体制に地域差があることを考えれば、観光支援にあたっては地域の主体性を最大限尊重する必要があるだろう。

 感染への警戒感が強い中で経済のアクセルを踏んでも、空回りしかねない。いつでもブレーキを踏める柔軟な対応が不可欠だ。

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