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新型コロナウイルス感染の第1波に見舞われた3月から4月にかけて、イスラエルではユダヤ教超正統派の間で爆発的に感染が拡大した。その要因として、超正統派のリーダーが指導力を全く発揮できなかったことを指摘せざるを得ない。
超正統派の家庭は、世俗派に比べて貧しく子だくさんだ。典型的な例を挙げると、父母と子供9人の家族が3部屋だったアパートを5部屋に改修して暮らす。仮に感染者が出ても、家庭内での隔離はほぼ不可能だ。ウイルス感染に対して、もろい環境が元々あるのだから、超正統派コミュニティーには他の地域以上に徹底した防疫態勢が必要だった。
だが、超正統派のリーダーは初期の段階で状況の重大さを理解できていなかった。最も権威の高いラビ(宗教指導者)のカニエフスキ氏は3月15日、政府の対策に反して「宗教学校の閉鎖は神が許さない」との見解を示し、「私たちの生活に変更を加える必要はない」と述べた。この結果、超正統派コミュニティーは学校やシナゴーグ(ユダヤ教会堂)の閉鎖に抵抗し、社会的距離をとることに注意を払うのに時間を要した。
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