頂点に立った大坂なおみを突き動かした使命感 コートで訴え続けた人種差別撤廃
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テニスの4大大会、全米オープンは12日(日本時間13日)、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで女子シングルス決勝があり、第4シードで世界ランキング9位の大坂なおみ(22)=日清食品=が、全豪オープンで2度の優勝経験がある同27位のビクトリア・アザレンカ(31)=ベラルーシ=を1―6、6―3、6―3で降し、2年ぶり2回目の優勝を果たした。
劣勢をはね返して歓喜の瞬間を迎えた大坂はベンチに戻ってラケットを置くと、再びコートに向かって歩き出した。ゆっくりと腰を下ろし、あおむけの状態で寝た。静かに両手をおなかの上に置いて呼吸を整えながら約20秒間、空を見上げた。「多くの偉大な選手が倒れ込んで見上げるのを見てきたから、どんな景色が見えるのかと思って。本当に素晴らしい瞬間だった」
感慨に浸った理由を多くは語ろうとしなかったが、テニスを通して人種差別に抗議してきた大坂にとって、今大会は一試合一試合が特別な重みを持っていた。1回戦から試合の入場時などに差別による黒人被害者の名前を入れた黒色のマスクを着け、人種差別撤廃へのメッセージを発信した。「差別への問題意識を世界中の人に伝えたかった。被害者がどう…
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