千曲川立ケ花狭さく部、河道掘削着工へ 21年2月めど /長野

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 国土交通省千曲川河川事務所は14日、千曲川の立ケ花狭さく部(中野市)の河道掘削に、2021年2月をめどに着工することを示したロードマップ(工程表)を発表した。

 昨年の台風19号で堤防が決壊した長野市穂保から下流6キロの立ケ花は120~450メートルと川幅が狭く、決壊地点の川幅約1キロと差がある。専門家はこの地形のため、水が逆流する「遡上(そじょう)流」が入り込みやすく決壊の一因になったと指摘していた。

 台風19号による千曲川氾濫を受け、同省北陸地方整備局は今年1月に緊急治水対策を発表した。立ケ花の河道掘削や堤防強化、遊水池の設置などを27年度までに段階的に実施することを盛り込んだ。河道掘削は流水量が変化するため上下流のバランスが重要となるとし、下流の飯山市戸狩も同時に掘削する。

 河川事務所は台風19号による堤防の決壊や越水がなかった場合、立ケ花に毎秒9000トンの水が流れたと試算。河道掘削で立ケ花は毎秒8600トンの水量を流し、遊水池の設置で同400トンをため込むことができる。

 ロードマップは、13日に開かれた長野市長沼地区の住民集会で説明された。同地区復興対策企画委員会の柳見澤宏委員長は「いつまでに何をやるのか進め方も示された。国の姿勢が変わってきたと感じる」と評価した。

    ◇

 一方、長野市は住民集会で、9月中に堤防決壊地点から下流500メートル区間の堤防に大型土のうを設置すると明らかにした。台風19号で同地区は80センチの越水があり、台風シーズンを前に同じ高さの土のうを設置して、氾濫を軽減したい考えだ。

 市河川課によると、大型土のうは80センチ四方。千曲川左岸の長沼地区では、台風19号による氾濫で1・4キロにわたり越水した。国交省が堤防強化の工事を実施中だが、市は独自で被害を軽減する「水防活動」として土のう設置を決めた。上下流の計450メートル区間にも台風が接近する数日前に設置する。国が復旧工事をした560メートル区間は堤防が強化されているため設置しない。

 設置期間はいずれも、国が堤防強化の工事を終える23年の出水期前まで。【島袋太輔】

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