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余録

「人は自分の姿を照らそうと思えば必ず鏡を用いる…

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 「人は自分の姿を照らそうと思えば必ず鏡を用いる。君主は自らの過ちを知ろうとするなら、必ず忠臣の諫(いさ)めによらねばならない」。帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」が記す唐の2代皇帝・太宗(たいそう)の言葉である▲中国と日本で歴代の名君、名将軍が座右(ざゆう)の書としてきた「貞観政要」は臣下の諫言(かんげん)と、それに心を開く君主の姿勢が重要なことを繰り返し述べている。先の文章で太宗は、臣下に対し思ったことを遠慮なく言い尽くすよう求めていた▲「1強」安倍(あべ)政権を官房長官として下支えしてきた菅義偉(すが・よしひで)氏が、自民党総裁選に圧勝して後継政権を率いることになった。「忠臣」役に徹してきた政治家に、さて「帝王学」の用意はあるのか。誰もが注目するそのすべり出しである▲気になったのは総裁選中に語った、政府方針に反対の役人は「異動してもらう」との物言いである。官僚人事を掌握した首相官邸主導の政策決定に辣腕(らつわん)を振るった官房長官そのままに、首相になっても各省ににらみをきかせるらしい▲政治主導はいいとしても、役人の「忖度(そんたく)」や「萎縮」といった有り様が国民のまゆをひそめさせた安倍政権の政官関係だった。コロナ後の新世界をにらむリーダーとしては、太宗に学び役人の創意や士気を励ます策はとれないものか▲「安倍政権の継承が使命」と語る菅氏だが、創業にもまして守成――成果を守ることの難しさを説いた太宗の帝王学だった。世界と時代の変化に先手を打てるトップリーダーへの脱皮を求めたい令和の政要である。

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