- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

そっと触れたくなる。あるいは、少し離れて対峙(たいじ)したくなる。好対照をなす木彫に出合える個展が、MU東心斎橋画廊(大阪市中央区)で同時開催されている。
美術家、古巻和芳の作品は、全てを包み込むようにふくよかだ。桑の木から生まれた女性は、透き通るような白い絹糸を手にしている。古巻は呉服店に生まれ、蚕から絹糸、そして着物が作られる営みの中で育った。彫像は、美の生成に立ち会う幾人もの女性を映す。
古巻は近年、養蚕を巡るプロジェクトを試み、作品で「着物の源流へとさかのぼろうとする旅」を続けてきた。2年前、両親が高齢のために廃業。今展「光の手ざわり」では、大小の女性像に加え、家族の歩みや蚕の一生を映したビデオ作品や、店に残った布を縫い合わせた白い産着が並ぶ。けがれのない白の世界が見る者を満たす。
この記事は有料記事です。
残り224文字(全文574文字)
あわせて読みたい
スポニチのアクセスランキング
現在
昨日
1カ月