対なす余韻、二つの木彫展 古巻和芳、安藤栄作 大阪で同時開催

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古巻和芳「光の手ざわり」(部分)2020年、桑、絹糸=大阪市内で2020年9月9日午後7時34分、三輪晴美撮影
古巻和芳「光の手ざわり」(部分)2020年、桑、絹糸=大阪市内で2020年9月9日午後7時34分、三輪晴美撮影

 そっと触れたくなる。あるいは、少し離れて対峙(たいじ)したくなる。好対照をなす木彫に出合える個展が、MU東心斎橋画廊(大阪市中央区)で同時開催されている。

 美術家、古巻和芳の作品は、全てを包み込むようにふくよかだ。桑の木から生まれた女性は、透き通るような白い絹糸を手にしている。古巻は呉服店に生まれ、蚕から絹糸、そして着物が作られる営みの中で育った。彫像は、美の生成に立ち会う幾人もの女性を映す。

 古巻は近年、養蚕を巡るプロジェクトを試み、作品で「着物の源流へとさかのぼろうとする旅」を続けてきた。2年前、両親が高齢のために廃業。今展「光の手ざわり」では、大小の女性像に加え、家族の歩みや蚕の一生を映したビデオ作品や、店に残った布を縫い合わせた白い産着が並ぶ。けがれのない白の世界が見る者を満たす。

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