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余録

1960年ごろの手塚治虫のSF漫画「0マン」に…

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 1960年ごろの手塚治虫(てづか・おさむ)のSF漫画「0(ゼロ)マン」に、人類が移住しようと金星を訪れる場面があった。泥の海に浮かんだ島に着陸すると、それは密集してからまった木の枝で、半分リスのような金星人が住んでいた▲「まるで大昔の石炭紀のようだ」は登場人物のセリフである。漫画が描かれた当時には金星表面は巨大なシダ植物が生い茂る約3億年前の地球のような湿潤な環境と思われていた。人類の移住先としては火星よりも有望視されたのだ▲だが60年代からの惑星探査で金星の表面は気温450度、90気圧という高温高圧の死の世界と判明した。上空には硫酸の雲がかかり、すさまじい風が吹く。そんな悪夢のような惑星から「生命の痕跡か」という驚きのニュースである▲英科学誌に掲載された米英日の研究チームの論文によれば、地球上では嫌気性の微生物によって作られるホスフィンというガスが金星上空の大気に含まれていることが分かった。地球以外でのこのガスの発見は今まで例がないそうだ▲むろん生命の存在が証明されたわけではないが、金星にホスフィンを生み出す未知の化学現象があるのは確かなようだ。このニュースに米航空宇宙局(NASA)長官は、地球外生命体探査史上「最大の進展」だとツイートしている▲太古には海があったという説もあり、「地球の双子」とも呼ばれた金星である。それが二酸化炭素の温室効果で灼(しゃく)熱(ねつ)の星になったのは切ないが、今また生命にかかわる謎を投げかけてきたのがうれしい。

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