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女の気持ち

号泣 大分市・木村すみ子(88歳)

 兄は南太平洋のソロモンの海に散った。知らせは昭和18(1943)年初冬に届いた。

 当時国民学校6年生の私は嫌いだったお裁縫の時間を教材を前に持て余していた。突然、教壇から「吉村さん」と鋭い声で呼ばれ、てっきり叱られると身構えた。

 トーンを落とした声で女性の先生は「吉村さん、今役場からお兄さんの戦死の公報が入りました。すぐに家に帰りなさい」と言われた。8人のきょうだいは仲が良かった。その中で時折帰省する進兄はまぶしく自慢の兄だった。

 私は机に顔を伏せて泣き、とめどもない涙を止めるすべを知らなかった。先生の手が背をなでてくださっているのをしばらく後に感じた。教室は静まり返っていた。

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