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不透明さ増す再開めど 那覇空港国際貨物の今 全便運休から半年 迫られる戦略立て直し /沖縄

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 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が航空会社を直撃している。那覇空港を拠点とした全日本空輸(ANA)の国際貨物ハブ事業も、外国人パイロットが入国できないことなどを理由に全便運休となって9月末で半年となる。新型コロナの影響を受ける前から路線網の縮小が続いていた中で、長引くコロナ禍により貨物ハブ事業の再開めどは不透明さを増している。「空の万国津梁」をうたった県の国際物流拠点形成構想は戦略の立て直しが迫られる。

 10日午後5時すぎ、那覇空港貨物ターミナルの駐機場にボーイング787―9が入ってきた。通常なら国際線で使われている中型の旅客機だが、客は1人も乗っていない。降りてくるのは貨物が入った銀色や白色のコンテナ36個。重量は合計30トンに上る。

臨時便で対応

 ANAカーゴ沖縄統括支店の渡辺英俊支店長が「この量は人間なら満席の状態」と説明する。約20分で全ての貨物が下ろされると、すぐに沖縄からの貨物15トンが積み込まれた。午後6時、飛行機は羽田空港に向けて飛び立っていった。

 沖縄と海外を結ぶ定期便は運休しているものの、旅客機の貨物スペースを利用して沖縄から羽田を経由して成田から世界各地に「物」は運ばれている。9月は月曜日を除く毎日、羽田と1往復の臨時便を出して対応している。

 羽田を経由することで、沖縄から直行で海外に運ぶ場合に比べ倍以上の時間がかかる。冷蔵、冷凍の商品を劣化させないように、保冷コンテナの取り扱いは工夫を模索する。渡辺支店長は「物流を止めてはいけない。経済の回復に必要なのは物流だ」と強調する。

減便から運休へ

 アジアの主要都市から飛行機で4時間圏内に位置するという沖縄の地理的優位性を生かし、県は観光、情報通信関連産業に次ぐ第三のリーディング産業として「国際物流拠点の形成」を位置付けている。その核となるのが、ANAの国際貨物ハブ事業だ。

 2009年の事業開始以降、那覇空港の国際貨物の取り扱い実績は大幅に増加した。だが、近年は伸び率の鈍化がみられていた。

 沖縄発着の貨物専用機の便数も17年には週120便あったが、同年10月下旬に週90便、18年10月下旬には週70便へと縮小が続いた。20年3月末には週50便になり、新型コロナの影響を受けて4月からは全便運休となった。

 運休後の国際貨物取扱量は、速報値で4月が149トン(前年同月9310トン)、5月が375トン(同8892トン)、6月が38トン(同1万203トン)、7月が52トン(1万39トン)と激減している。

 厳しい状況だが、渡辺支店長は「沖縄の地理的優位性は変わらない」と指摘する。一方で、新型コロナで打撃を受けるANA全体の事業再編の可能性や、それに伴う沖縄ハブ事業への影響については、「新型コロナがどうなるのか分からない現状では何とも言えない」と声を落とす。

県の戦略

 経済成長が続くアジア各都市に荷物を運ぶ航空路線が維持されるかどうかは、県が取り組む企業誘致にも影を落としてくる。定期便の復便にはコロナの収束だけでなく、運ぶ貨物があることが前提になる。

 県の嘉数登商工労働部長は「コロナの影響で人の移動は減ったが、物の移動は増えている」と指摘する。今後は世界的に「安全・安心」がキーワードになると見て、県産品だけでなく日本各地の付加価値の高い農作物を沖縄を拠点に輸出する展開を描くほか、沖縄発のeコマースに力を入れたいとしている。

 また、「今後もANAカーゴが国際物流の中心であることは変わらない」とした上で、ハブ事業開始後に那覇空港に相次いで連結するようになった格安航空会社(LCC)の台頭をプラス要因に挙げる。嘉数部長は「ANAだけでなく、いろんな航空会社と組み合わせることで新たなビジネスモデルを構築できるのではないか」と語り、コロナ後の航空需要回復を見据えて物流拠点形成の戦略を模索する。(玉城江梨子)

(琉球新報)

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