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温又柔さん(作家) 「ふつう」の基準疑う 『魯肉飯のさえずり』刊行

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新著「魯肉飯のさえずり」について語る温又柔さん=東京都千代田区で2020年9月4日、藤井太郎撮影
新著「魯肉飯のさえずり」について語る温又柔さん=東京都千代田区で2020年9月4日、藤井太郎撮影

 台湾出身の作家、温又柔さんの新作長編『魯肉飯(ロバプン)のさえずり』(中央公論新社)は、台湾から日本に移住した母とその娘の物語だ。ふつうの日本人やふつうの結婚、ふつうの母親とは何か。「ふつう」や「あるべき姿」を無意識に強いる社会への違和感を作家は表明している。母娘関係を軸に置いたことで立体的に主題が浮かび上がる。温さんは「母親の視点から見た自分の半生を書きたかった」と語る。

 10年ほど前から温めてきた構想だったという。これまで、台湾出身で日本育ちの一人の女性を主人公にした作品を数編発表してきたが、今作で初めて台湾人の母親の物語を描いた。「簡単には書けませんでした。ちょっと遠回りをして、他の作品を経なければ、多分これは書けなかった」と振り返り、「自分が感じた悲しみやいら立ちを、母の目で見つめ返すとどうなるか。相対化できたように思います」と手応えを口にする。

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