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記者の目

国安法施行で香港一変 自由奪われ、恐怖との闘い=福岡静哉(台北支局)

国家安全維持法が施行された翌日の7月1日にあったデモに参加し、警察に拘束された市民=香港・銅鑼湾で、福岡静哉撮影

 中国の習近平指導部が香港への統制を強化する国家安全維持法(国安法)が6月30日に施行された。私は香港政府や中国当局への市民の抗議デモが本格化した2019年6月以降、継続的に現地で取材を続けてきた。国安法は、香港の状況を一変させたと肌で感じている。

 国安法が施行された後の7月。ある人物へのインタビュー冒頭、こう言われた。「国安法への見解は実名で書かず匿名にしてほしい。逮捕される可能性があり危険だ」。8月にはある学者が私にこう告げた。「少なくない学者が、外国人記者の取材を受けることを尻込みし始めている」

 香港は中国の一部だが1国2制度が採用され、大半の法律が中国本土と異なる。憲法に当たる香港基本法は言論や集会、報道などの自由を認めている。これに対し国安法は、国家の分裂▽中央政府の転覆▽テロ行為▽外国勢力との結託――を犯罪行為と規定した。国安法の解釈権は中国側が握り、どのような行為が国安法違反に当たるかは、中国当局のさじ加減一つだ。

 国安法の施行前は不安なく取材ができ、中国本土と異なる報道の自由を実感していた。だが国安法のもとでは外国人記者である私が「外国勢力」とみなされる可能性が無いとは言えない。中国政府から目の敵にされている著名な民主活動家、黄之鋒氏(23)をインタビューした際は、知人の記者からこう忠告された。「あなたも今後は念のため尾行に気をつけた方がいい」。まるで中国本土にいるかのような錯覚を覚え、何とも言えない不安…

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