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トランプ氏、ワクチン配布「10月にも」 コロナ功績前のめり、専門家と食い違い

ホワイトハウスで記者会見するドナルド・トランプ米大統領=2020年9月16日撮影、AP

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 11月の米大統領選で再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領(74)は16日、開発が進む新型コロナウイルスのワクチンについて「10月中旬にも配布を開始できる」と述べた。一方で政府の専門家は「広く一般への接種が可能になるのは2021年後半以降」との見通しを表明。選挙を意識しウイルス対策の功績に前のめりになるトランプ氏との食い違いを見せている。

 トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で、米国内の製薬会社などが開発を急ぐワクチンについて「(実用化を)10月にも発表できるだろう。一般への接種も時間を置かずに始めたい」と述べた。これに先立ち、米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は16日、上院公聴会に出席し「国民に広く提供できるようになるのは、来年の第2四半期(4~6月)後半から第3四半期(7~9月)以降になる」と証言した。

 会見で食い違いを指摘されたトランプ氏は「彼は質問を誤解し混乱したのだろう。間違った情報だ」などとレッドフィールド氏の見解を否定した。CDCはその後、「所長は、すべての国民がワクチン接種を完了する時期の見通しを説明したもので、提供が開始される時期について言及したわけではない」との声明を発表。トランプ氏の発言に合わせて見解を修正した。

 トランプ氏は15日に出演したABCテレビの対話集会でも「ワクチンが手に入るまであと3、4週間だ」と発言するなど、専門家の想定をはるかに上回るペースの開発スケジュールを示している。大統領選で成果を誇示するため、製薬会社の臨床試験(治験)や承認手続きを早める政治的圧力が強まる可能性も指摘され、安全性への懸念の声が上がっている。

 民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)は16日、東部デラウェア州での演説で「ワクチン開発に政治を持ち込むな」と強調。「私はワクチンも科学者も信頼するが、ドナルド・トランプは信頼しない」と呼び捨てにして批判した。【ワシントン高本耕太】

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