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広島二〇二〇/19 見知らぬ父、無念思い 増川計さん(81)=安佐北区 /広島

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増川計さん=広島市安佐北区で、賀有勇撮影
増川計さん=広島市安佐北区で、賀有勇撮影

増川計(ますかわ・はかる)さん

 自宅の仏間に並べて飾られた親族の遺影写真のなかに、一つだけ肖像画が飾られている。軍服を着た在りし日の父の姿だ。

 面影も声すらも思い出せない父が宇品軍港から出征したのは1939年10月。母に抱かれた乳飲み子として、二度と帰ることがない父の背中を見送った。

 父は中国、ミャンマー、パラオなどに派兵されたが、終戦を迎えても帰国しなかった。戦後、戦友に安否を訪ね歩く母の姿を今でも覚えている。

 父の死は、遺骨ではなく、終戦から時を経て役所から届いた1通の戦死公報で知らされた。父は出征から約3年後、ニューギニア島の野戦病院で戦病死していた。33歳だった。

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