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真面目なラブホテル苦境 給付金もGoToも対象外 「推奨されていい」はずなのに

フロントを通らず、1棟ずつ独立した客室に直接入れる構造は、コロナ対策にもなっていた=群馬県伊勢崎市のラブホテル「SERA赤堀店」で2020年8月25日午後3時53分、藤沢美由紀撮影

 真面目にやっているラブホテルの経営者がほとほと困っていると聞いた。コロナ禍で客は減り、ホテルなのにGo Toキャンペーンも持続化給付金の対象でもないという。ラブホテルは性風俗業だから別枠とは、何だかややこしい。コロナ禍の性風俗産業は一体どうなっているのだろうか。取材に実名で応じてくれる経営者を訪ねた。【藤沢美由紀/統合デジタル取材センター】

 青空の下、道路脇には住宅のほか、夏草の生い茂る田んぼや牛舎も見かけた。最寄り駅から歩くこと30分。農耕車や大型トラックが走る県道沿いに、矢印と控えめな看板が見える。群馬県伊勢崎市の「SERA赤堀店」。「性風俗関連特殊営業」の届け出をしている正規のラブホテルだ。

 広々とした敷地に、1棟ごとに独立した客室が並ぶ。車庫が客室に隣接しており、客はフロントを通る必要もない。いわゆる「3密」とは無縁の環境がそこにあった。

 「差別としか言いようがない。性は人間が生きるのに必要なものでしょう。それなのに議論もしない」。昼下がりの事務所で、経営者の市東剛さん(61)が怒っていた。ここを含めて北関東に6店のラブホテルを展開しているという。

 コロナの影響で、3月は4割減、4、5月は3割減と売り上げが落ちた。元々、最初に大きく設備投資し、少ない原価で経営していくビジネスモデル。客の多寡が利益に直結している。それでも従業員の雇用と生活は守ろうと、雇用調整助成金では足りずに自らの貯金も持ち出してしのいだ。堅実な経営を心がけ、内部留保もあったために経営を続けられたが、「そうでなければ乗り切れなかった」と振り返る。

 持続化給付金は新型コロナの感染拡大で影響を受けた中小企業や個人事業者向けの支援策だが、「性風俗関連特殊営業」は対象から除外されている。

 持続化給付金だけでなく、政府の観光支援事業「Go Toトラベル」や、固定資産税の免除制度などの対象からも除外された。9月末には納税期限が容赦なく迫る。

 市東さんのホテルは普段から、華美に走らず料金設定を低めに抑え、「普段使い」で愛されることを目指している。おかげで不景気には強く客足が戻りつつあるが、近隣のラブホテルは2軒潰れたほか、休業する店もあるという。

 憤る理由は他にもある。ラブホテルは本来風営法上の届け出が必要で、立地などの規制を受ける。ところが…

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藤沢美由紀

2007年入社。山口支局、熊谷支局、八王子支局、東京本社社会部、医療福祉部(現くらし医療部)を経て2020年春から統合デジタル取材センター。LGBTなど性的少数者に関わる教育、医療、職場、法、家族などの問題を中心に取材。当事者団体と有志記者による「LGBT報道ガイドライン」作成に参加。

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