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トークイベント 発酵文化の可能性 菌との共生、未来を開く鍵

6月に文庫化された小倉ヒラクさん著の『発酵文化人類学』(角川書店)

 <土曜カルチャー>

 手作りみそや塩麴(こうじ)、ぬか漬けなど、日本に昔から伝わる発酵文化が近年、注目されている。そんな発酵の世界を追ったドキュメンタリー「いただきます ここは、発酵の楽園」(2020年、オオタヴィン監督)の上映を前に8月末、大分県日田市の映画館「日田リベルテ」で、出演者の一人で、『発酵文化人類学』(角川文庫)などの著書がある発酵デザイナー、小倉(おぐら)ヒラクさんのトークイベントが開かれた。「(発酵の世界は)地域に新しい経済文化を生み出す大きな可能性を持っている」と話す小倉さんが提唱する「発酵文化人類学」とは? 未来を開く発酵文化の可能性について考えた。

 生のニンジンを無心でかじる少女、野菜のしゃぶしゃぶに群がる子供たち――。映画では「子供は野菜嫌い」という偏見を覆すような笑顔が続く。子供たちが作った野菜や米、自家製みそなどで給食を作る甲府市や長崎市の保育園、発酵を活用した土づくりで有機無農薬の野菜づくりを続けている長崎県佐世保市の「菌ちゃんふぁーむ」、全公立小中学校の給食で地元産の有機米を使っている千葉県いすみ市など、各地で発酵を生み出す菌と共生し、生き生きと暮らす人々の姿が映し出される。

 私たちの周りには無数の微生物=菌が生息している。人間の体内にも100兆を超える微生物が常在菌として存在している。中には人間に害を及ぼす病原菌もあるが、それ以上に食物の消化や免疫システムを維持するなど重要な役割を担う菌が多い。無数に存在する菌を人間に有用に活用したのが発酵文化だ。小倉さんは、発酵文化人類学を「発酵を通して、人類の暮らしにまつわる文化や技術の謎をひもとく学問」と定義する。

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