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計画的な米の対中強硬策 長尾賢 米ハドソン研究所研究員

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長尾賢(さとる)

 米国の対中政策は、中国の軍事的な拡張主義に対応する形で厳しさを増してきた。ただ、対中強硬姿勢は、トランプ政権による一時的なものではなく、長期的な計画が実行に移されたと考えるべきだろう。

 米国は、計画性を持ってライバルを倒してきた。第二次世界大戦前に、日本が仮想敵国の「オレンジ計画」が作成され、おおむね実行された。驚くのは、英国とカナダと戦う「レッド計画」まで存在したことだ。国際情勢は変化するので、ありそうもない計画まで作成するのが米国だ。中国を「戦略的競争国」と位置づけた以上、相当な計画があり、一部実行が始まったとみるべきだ。

 米中ハイテク戦争が始まったのは、米議会が中国企業に関する調査報告書を公表した2012年だ。当時は民主党のオバマ政権だった。仮に次の米政権を担うのが民主党でも、対中姿勢に本質的な変化は起きないだろう。

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