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新・心のサプリ

「ぼかす」美学=海原純子

 「はっきり言われたから傷ついた」という悩みをきくことが、とても多い。言われた内容についてではなくて、「はっきり」言われたということが嫌なのだ。だから人にものを伝えるのは内容もさることながら、いかに伝えるかが大切なのだということが常々話題になってくる。

 しかし、「はっきり」言うとひとくくりにしてしまうのは、問題がある。はっきり言われて傷ついている方に詳しく状況をきいてみると、「はっきり」言われたというその状況は、必ずしも、強い口調や投げやりな態度や相手を見下したような雰囲気ではないのだ。単に、事実を冷静かつ客観的にと指摘されただけにもかかわらず、その「はっきり」言われたことで自分の人格が否定されたような気分になってしまうことが多い、ということに気が付く必要がある。私たちは事実だけを、そのまま言われるのが好きではない傾向があるのだ。

 それはなぜだろうと考えると、日本文化の中で、ぼかしてソフトにものを伝えることをよしとする伝統があるためではないかと思ったりする。「はっきり」言うことは、あまりよろしくない、上品ではない、という傾向があることは確かだ。例えば、この場所で「その行為はやめてください。禁止です」とは言わず、「ご遠慮ください」と伝える。「ノーです」とは言わず、「いかがなものでしょう」とぼかす。

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