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余録

オレンジ色のもやに沈む街…

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 オレンジ色のもやに沈む街。「火星のようだ」と報じられたのは山火事が広がる米西海岸だ。折からの熱波で乾燥していたところへ落雷で火がついた。東京都の何倍もの面積を焼き、なお収まる気配がない▲現地を視察したトランプ大統領は、気候変動との関連を否定し「じきに涼しくなる」と放言した。これに対してバイデン氏はトランプ氏を「気候放火犯」と非難、山火事は大統領選にも飛び火した▲米国では、2大政党の支持者の間で地球温暖化への認識がまるで違う。民主党支持者は温暖化を人為起源と考えるが、共和党支持者は懐疑的だ。この背景をエール大のカハン教授が分析している▲「温暖化は人間活動が原因」と考える人の割合を、科学的知識のレベルごとに調べた。民主党支持者では知識が多いほど賛同者が増えるが、共和党支持者では全く逆で、グラフは右肩下がりになった。「人は自分の主義に近い情報を吸収する傾向があり、知識が増えると考えが極端になる」と教授は言う▲知的レベルが高いほど、自分の主張と食い違う意見に反発し、欠点を探して批判する。こうした現象が「賢い愚か者」効果と呼ばれることを「ルポ 人は科学が苦手」(三井誠著、光文社新書)で知った▲パリ協定からの離脱を決めたトランプ氏は「温暖化はでっちあげだ。中国の陰謀だ」と公言している。新型コロナウイルス対策でも科学軽視の振る舞いが目立つ。オレンジ色のもやで目の前の現実が見えなくなっていなければいいのだが。

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