メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

金正男氏殺害で一時拘束された北朝鮮男性の特異な素顔 米司法省訴追で浮かぶ軌跡

娘(右)や息子(左)と写真におさまるリ・ジョンチョル容疑者=関係者提供(画像の一部を加工しています)

 米司法省は、フロント企業を使って不正に米ドルを送金したとして、マレーシアを拠点とした北朝鮮籍などの3人を制裁規制違反や詐欺などの罪で訴追した。うち1人は、2017年に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がクアラルンプール国際空港で殺害された事件で現地警察に逮捕され、不起訴処分となったリ・ジョンチョル容疑者(50)だ。専門家は、リ容疑者が世界中に張り巡らされた北朝鮮物資調達網の重要人物の一人だとみている。

 他に訴追されたのは、英語の通訳としてリ容疑者を支えた娘と、マレーシア人の協力者。

 殺害事件でマレーシア当局は、直後に出国した北朝鮮籍の4人を容疑者として国際手配した。クアラルンプールに残っていたリ容疑者は、事件で逮捕された唯一の北朝鮮出身者だった。車両の手配など後方支援にあたっていたとみられたが、不起訴処分となり北朝鮮へ帰った。

 米司法省の11日の発表によると、リ容疑者と娘は少なくとも15年8月以降、マレーシアに拠点を置き、北朝鮮向けの物資の調達・輸出に関わっていた。

 マレーシア人容疑者は日用品販売会社を経営する一方で、リ容疑者の物資調達に協力していたとされる。16年8月には北朝鮮のフロント企業から約2万5000ドル(約260万円)を受け取ったことを確認したという。また、リ容疑者は自身の活動にベトナムにある会社を使っていた疑いもある。

 マレーシア警察の調べでは、リ容疑者は北朝鮮と交流のあるがん治療薬を扱う企業で働く名目でマレーシアに滞在。ただ勤務実態はなく、普段から北朝鮮大使館の公用車を使っていた。

 リ容疑者はクアラルンプールの高級賃貸マンションに居住。事件後の捜索で自宅から現金3万8000ドル(約395万円)も見つかった。警察はリ容疑者らのタブレット端末やパソコン、携帯電話などを押収。北朝鮮に帰る際に返却したが、関係者によるとコピーしたデータの復元、分析が続けられた。

 そこから浮かび上がったのは、リ容疑者の特異な活動ぶりだ。北朝鮮から…

この記事は有料記事です。

残り740文字(全文1597文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 24歳兄が妹・弟を包丁で刺す 犯行後飛び降りか、兄は死亡 東京・東村山

  2. 大阪・梅田HEP FIVEで高校生転落し死亡 路上の19歳巻き添え意識不明

  3. 愛子さまが学習院大に初登校 新入生向けガイダンスに出席

  4. #排除する政治~学術会議問題を考える 行革や効率性で「文句を言う人」飛ばす怖さ 菅政権の新自由主義 重田明大教授

  5. 「優しく温厚。成人式で会えると…」 大阪・巻き添え死 女子学生の友人が涙

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです