被害額31億円 会社役員が初めて語る「M資金詐欺」の真実 私はなぜだまされたのか

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「本当のことを話したい」。M資金詐欺の被害に遭い、初めて取材に応じた会社役員の男性=横浜市で2020年8月4日午後2時28分、高田奈実撮影
「本当のことを話したい」。M資金詐欺の被害に遭い、初めて取材に応じた会社役員の男性=横浜市で2020年8月4日午後2時28分、高田奈実撮影

 連合国軍総司令部(GHQ)が旧日本軍から接収した秘密資金を提供できる――。昭和の時代から続く「M資金詐欺」は、こんな誘い文句で始まる。眉唾ものだが、過去にだまされた人には百戦錬磨の経営者が多い。いったいなぜ信じてしまうのか。2017~18年に31億円をだまし取られた会社役員の男性が毎日新聞の取材に応じ、詳細な手口を明かした。

「本当のことを話したい」

 横浜市内にある大手飲食会社の本社で、70代の男性が吐き捨てるように言った。「自分のばかさ加減に嫌になる」

 神奈川県警が6月に摘発した巨額詐欺事件は、新聞や週刊誌で面白おかしく書き立てられた。一部には真実でない記述もあったとして「本当のことを話したい」と初めて取材に応じた。

 横浜地検は12日、男性から約31億2000万円をだまし取ったとして、東京都港区の無職、武藤薫容疑者(66)を詐欺罪で起訴した。起訴状などによると、武藤被告は男性にGHQが旧日本軍から接収した資金から2800億円を提供できると説明。金を管理する英国団体との交渉費用などの名目で17年9月~18年9月に計5回にわたり計31億2000万円を振り込ませたとされる。県警は武藤被告のほか都内に住む79歳と59歳の男性も逮捕したが、地検は2人を不起訴とした。巨額詐欺はなぜ起きたのか。

英国のスナイパー「マック青井」

 事件の発端となったのは、武藤被告との出会いだ。13~14年ご…

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