「ギフテッド児」と重なる「17歳で逝った息子」 周囲の理解あれば…母と専門家対談
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2016年に発達障害の息子(17)が自死したことについて、長野県内在住の50代母親が手記「『17歳で逝った息子』とその母が伝えたいこと」を「長野の子ども白書」に著した。5月27日毎日新聞で報じたところ、「『ギフテッド』の特性と重なる点が多い」と角谷詩織・上越教育大准教授(発達心理学)から反響が寄せられた。充実した高校生活を送っているように見えた息子が、なぜ自ら命を絶ったのか――。自問自答を繰り返してきた母親はその答えのヒントを求めて、角谷さんとオンラインで対談した。見つけた答えとは。【聞き手・坂根真理】
「間に合わなかった」と、無念の涙が出ました
――角谷さんは記事を読んだ後、「ギフティッド その誤診と重複診断」(北大路書房)という翻訳書を母親に贈りました。
角谷 記事の冒頭から、心に突き刺さる言葉がいくつもありました。成績優秀なのに、普通なら分かることが分からないと不思議がられるとか。ギフテッド児の特性に当てはまることが多いなと。その特性を周囲が「知らない」ことで生じる悲劇を無くしたい思いで19年に翻訳本を2冊出したのですが、「間に合わなかった」と、無念の涙が出ました。ただ、お母さんに一筋の光が差せばと思い、本をお贈りしました。
母親 ギフテッドだったかどうか、もう分かりませんが、当てはまるところがあり過ぎて、ずっと線を引きながら読み…
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