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ベーシックインカムじわり脚光 日本でも導入求める声 米独など各国で実験

ベーシックインカム(BI)の実証実験を終えたフィンランド。だが、実際にBIを導入するかどうかは答えを出せていない=ヘルシンキ市内で2019年9月14日、三沢耕平撮影

 新型コロナウイルス禍で世界に困窮が広がる中、政府がすべての国民に一定の現金を給付する「ベーシックインカム(BI)」の議論が各地で広がっている。日本でも導入を訴える声が出てきた。なぜ今、BIなのか。【久野華代(パリ)、横山三加子(ロンドン)、中井正裕(ワシントン)、和田憲二】

「携帯電話にメッセージが届いたのは、失業保険が切れる不安が膨らんでいた時でした。これで助かったと思いました」。コロナ禍でレストランを解雇されたマドリード在住の調理師、メルセデス・ピントさん(50)は6月12日、スペイン政府の低所得者向けの所得保障制度「生活最低限収入制度」の対象者であることを知らせるメールを受け取り、すぐに手続きした。約2週間後、メルセデスさんが受け取っている失業保険の受給額などから算出した6月分の給付額203ユーロ(約2万5000円)が銀行口座に振り込まれた。メルセデスさんは「政府の支援金が励みになり、一生懸命仕事を探すことができた」と話す。約1カ月後の7月下旬、新しい調理師の仕事を見つけた。

 BIは、生活に最低限必要な現金を、所得に関係なく一律に給付する仕組みだ。人工知能(AI)やロボット社会の到来で雇用縮小が予想される中、新たな社会保障制度として先進国を中心に注目されている。世帯ではなく個人に支給するため、家族の形態や働き方の多様化に対応できる点もメリットだ。スペインの新制度は、低所得層に対象を絞った点などでは純粋なBIとは言えないが、議論を活発化させるきっかけの一つとなった。

 一方、完全なBIは労働市場に与える影響や財源などへの懸念が根強く、実際に導入した国はまだない。スイスで…

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