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余録

中国から渡来した金魚の飼育が庶民に広がったのは…

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 中国から渡来した金魚の飼育が庶民に広がったのは、江戸時代とされる。ガラス製の「金魚玉」に入れ、江戸っ子は愛らしい姿を観賞した。「長屋住まいの貧しくせまい生活空間に、金魚はぴったりの相手だった」(鈴木克美著「金魚と日本人」)▲その金魚を取り巻く環境が、コロナ禍で一変している。縁日や祭礼などのイベントが軒並み中止に追い込まれ、「金魚すくい」ができなくなっているためだ。生産地の業者からは悲鳴があがっている▲約5400万匹を昨年出荷した奈良県大和郡山市は、3~6月の出荷が4割前後落ち込んだ。夏、秋以降も祭りの中止で状況は悪化しているといい「金魚すくい用の出荷が9割減の業者もいる」(同市農業水産課)と危ぶむ。市は売り上げが2割以上減った養殖業者に、20万円を支援している▲金魚を巡っては、希望を抱かせる話も一方である。ペットショップやホームセンターで、自宅で観賞用に金魚を買い求める人が増えているという。いわゆる、巣ごもり需要だ▲東京・本郷の老舗卸問屋「金魚坂」によると、金魚鉢の出荷は例年より3割増えた。「こんな時だからこそ、身近で手のかからない楽しみとして、金魚に親しんでほしい」と社長の吉田智子さんは期待をこめて語る▲日曜の午後、店頭販売もしている同店では親子連れが熱心に品定めをしていた。長い年月をかけて暮らしに溶け込み、寄り添ってきた金魚だ。祭りのにぎわいとともに、金魚すくいの光景が戻る日を待ちたい。

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