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論点

ベーシックインカム

 新型コロナウイルスの感染拡大で失業や困窮が広がる中、政府が国民に対し生活に必要な最低限のお金を無条件で給付するベーシックインカム(BI)が世界各国で耳目を集めている。先進国が続ける大規模な財政出動と金融緩和の出口が見えない中、BIは国家運営の新しいモデルになり得るのか。国内外の最新の知見を問う。

 経済的な権利として各人が定期的・継続的に少額の給付を受けるベーシックインカム(BI)は、人々に基本的な安心を与えるものであり、社会正義だと考えている。新型コロナウイルスの感染拡大で、その重要性は高まっている。コロナ禍においては、感染死してしまう可能性が誰にでもあり、収入や消費減といった巨大な需要ショックももたらした。こうした状況下では、全ての人が困難を乗り越える「レジリエンス(回復力)」を持つことが重要だ。BIを導入すれば、人々は必要な商品やサービスを購入できるようになる。経済の刺激だけでなく、レジリエンスを与えることもできる。

 2008年の金融危機の後もBI導入の議論があったが、あまり評価されなかった。当時は、グローバリゼーションと技術革新によって20世紀型の所得分配システムが崩壊したことが十分に理解されていなかったのだろう。日本や英国など実質賃金の停滞が続く先進国では、不安定な雇用形態で働く「プレカリアート」がますます増えているが、今では多くの人がそれを理解する段階になった。人々は基本的な安心を得るための新しい方策を…

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