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社説

女性政策と新政権 おじさん主導では心配だ

菅首相による内閣が発足し、初閣議に臨む菅首相(中央)ら新閣僚たち=首相官邸で9月16日、玉城達郎撮影

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 男女格差の解消が進んでいない。日本は世界経済フォーラムの男女平等度ランキングで153カ国中121位だ。

 最重要課題の一つにもかかわらず、菅義偉政権には本気で取り組もうとする姿勢が見えない。

 菅首相は就任記者会見で、待機児童の解消などを挙げ、「安心して子どもを産み育てられ、女性が健康に活躍できる環境を整備する」と述べた。

 「育児は女性の役割」と言わんばかりの古い考え方が垣間見える。女性の負担軽減や待遇改善への言及はなかった。

 政治分野への女性の進出は、特に国際水準から後れを取っている。菅内閣の女性閣僚はわずか2人だ。総辞職時の安倍晋三内閣より閣僚が1人増えたにもかかわらず、女性は1人減った。

 女性議員の割合は衆院が10%、参院も23%に過ぎない。女性候補者の割合を義務づけるクオータ制の導入を本格的に議論すべきだ。だが、自民党の二階俊博幹事長は「(割合は)選挙民の意思で決めること」と消極的だ。

 安倍前政権は「女性が輝く社会」を掲げた。企業に女性の採用や管理職登用の数値目標を求める女性活躍推進法も成立させた。

 昨年までの7年間で働く女性は約330万人増えた。出産後に仕事を続ける人の割合も増加した。

 問題は、労働力不足を女性に補ってもらおうという発想がうかがえることだ。

 働く女性の半数以上は非正規雇用であり、不安定な立場に置かれている。コロナ禍の4月、女性就業者は前月から約70万人減った。これは男性の2倍近くに上る。正社員を含め、給与格差も大きい。

 政府は、「指導的地位に占める女性の割合を今年までに30%程度にする」という目標を断念した。「2020年代の可能な限り早期に」と修正する方針だが、現状のままでは、達成はおぼつかない。

 党総裁選で菅氏は、女性政策についても、安倍政権を継承すると語った。しかし、実効性に乏しい取り組みを続けても、局面の打開は難しい。

 菅氏は既得権益や、あしき前例主義の打破を打ち出している。女性よりも男性が優遇される社会こそ、打破すべき対象だろう。

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