なぜトルコと欧州は東地中海のガス資源を争うのか 背景にある分断と拡張

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トルコ海軍の艦船に守られて地中海を進むトルコの探査船(左から2隻目)=トルコ国防省提供、AP
トルコ海軍の艦船に守られて地中海を進むトルコの探査船(左から2隻目)=トルコ国防省提供、AP

 欧州と中東のはざまにある東地中海で紛争の火種が生まれている。この海域に眠る天然ガス資源を巡り、トルコが軍艦の護衛付きで探査を強行したためだ。権益を主張するギリシャと同国を支援するフランスも軍艦を派遣して対抗し、緊張関係が続く。一触即発とも言える地域の不安定化は、なぜ起き、何をもたらすのか。

トルコのガス田掘削開始をギリシャと仏がけん制

 「東地中海の安定と安全はギリシャや(ギリシャと同様にガス資源を巡ってトルコと対立する)キプロスだけでなく、欧州連合(EU)としての問題だ。EUの連帯を断固として表明したい」。EUのミシェル大統領は15日、アテネでギリシャのミツォタキス首相と会談し、EU加盟国であるギリシャ側に立ち、対立収束に向けた協議を進める方針を示した。

 東地中海では近年、相次いでガス田が見つかり、沿岸国が権益を争っている。トルコは2019年、キプロス沖でガス田の掘削を開始。さらに20年8月10日、ギリシャ領カステロリゾ島付近に、探査船と軍艦を派遣した。ギリシャ側も軍艦を派遣し、周辺海域でフランスと軍事演習を行うなどトルコをけん制した。ロイター通信によると、同月12日には双方のフリゲート艦が接近し、船体が接触したという。

 トルコは9月13日までにカステロリゾ島付近のトルコ探査船を撤収し、22日にはギリシャと緊張緩和に向けた協議を実施することで一致したと発表した。だが、キプロス沖での掘削は継続する意向で、根本的な対立解消にはほど遠い。

仏は強硬、独は仲介 EU内で温度差

 トルコへの対応を巡っては、EU内で温度差がある。フランス、ギリシャ、イタリアなどEU…

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