「コロナの責任取らせる」米国か 「政治問題化に反対する」中国か 国連で激突

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各国首脳の演説が事前録画されたビデオで流れた国連総会=2020年9月22日、AP
各国首脳の演説が事前録画されたビデオで流れた国連総会=2020年9月22日、AP

 国連総会(193カ国)で22日、各国首脳が自国の立場を表明する一般討論演説がニューヨークの国連本部で始まった。新型コロナウイルス対策のため首脳らは議場に出席せず、事前録画のビデオで演説した。初日は米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席が新型コロナや気候変動対策を巡り、非難の応酬を展開。米中による「ポストコロナ」の主導権争いは、激しさを増している。

トランプ氏「WHOを中国が事実上支配している」

 「我々はウイルスを世界に解き放った国に責任を取らせなければならない。それは中国だ」。トランプ氏は22日、一般討論のビデオ演説で、新型コロナを巡る中国の責任を繰り返し強調した。

 トランプ氏は約7分間の演説の半分を中国批判に充てた。新型コロナを「中国ウイルス」と呼び、発生の初期段階で「中国は国内の移動を制限したが、航空便を国外に飛ばして世界を感染させた」と非難した。

 世界保健機関(WHO)を「中国が事実上支配している」と断じ、中国とWHOが「人から人への感染の証拠はないと誤った宣言を出した」などとも語った。そのうえで「国連は中国に責任を負わせなければならない」と主張した。

 米国ではこの日、新型コロナによる死者が20万人を超えた。感染者も累計で680万人を超え、死者数とともに世界最多を記録し続けている。米国内で新型コロナの脅威を軽視したと批判を浴びているトランプ氏は、中国の責任を追及することで批判の矛先をかわすのが常とう手段になっている。11月の大統領選を控え、米世論の対中感情悪化を背景に、「中国たたき」をアピールする狙いもある。

「各国も自国第一に」 パリ協定は「一方的」

 さらに、トランプ氏は国際社会で影響力を強める中国に対抗し「世界のリーダーとしての米国」を誇示しようと試みた。

 新型コロナについて「ワクチンを配布し、ウイルスに打ち勝ち、パンデミック(世界的大流行)を終わらせる。そして、かつてない繁栄と協力、平和の時代を迎えるだろう」と米国主導による新型コロナの収束を宣言。米国の繁栄が「世界の自由と安全の基盤である」と主張し、「我々は中国の何十年にもわたる不正な貿易に立ち向かってきた」などと述べた。

 一方で「米国第一主義」も改めて強調。自身が主催したイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの国交正常化合意の署名式や、アフガニスタンの和平協議など「外交実績」を自賛し「自国民を大切にしてこそ、本当の協力基盤を得ることができる」などと説明した。そのうえで、「誇りをもって米国第一を掲げている。各国も自国を第一にすべきだ」と呼びかけ、改めて多国間協調を軽視する姿勢を鮮明にした。

 気候変動対策については、地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」を「一方的」と非難して米国の離脱を正当化。温室効果ガスの最大排出国である中国を強く批判した。【ワシントン鈴木一生】

習氏「多国間主義の道を堅持」

 「対岸の火事だ…

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