利潤のための震災復興 文化・芸術への冷淡さ、そして言葉の軽さ 赤坂憲雄さんが見た「悪夢」
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「悪夢のような」――。安倍晋三前首相は、東日本大震災発生時の「民主党政権」を、こう表現した。その後、発足した第2次安倍政権下の震災後はどうだったか。「東北学」を提唱し、復興構想会議の委員も務めた赤坂憲雄・学習院大教授(67)に聞くと、東北の被災地から復興五輪、政治家の言葉へと時代を深く掘り下げてくれた。【山内真弓/統合デジタル取材センター】
「ひとごと」でやりすごした安倍前政権
――東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から2年弱たった2012年12月に第2次安倍政権が発足しました。
◆震災が起きた2011年3月は、民主党政権でした。歴史の残酷さやアイロニー(皮肉)を感じます。もし、と仮定しても仕方がないが、あのとき自民党政権だったら、と思うことがある。安心安全を掲げながら、結局は巨大な事故にたどり着いた原発を含め、古い政治のシステムを支えていた価値観がすべて、根底から問われたはずです。東京で使う莫大(ばくだい)な電力を、地方が供給する、原発そのものが東京一極集中の象徴であり、それを守ってきたのが戦後長く続いた自民党政権なのですから。
福島の浜通りや青森の下北半島など、日本列島の中…
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