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第70期王将戦リーグ特選譜

開幕戦 連敗中の難敵に羽生九段が「倍返し」 3冠目指す藤井王位は痛い黒星

王将戦リーグ開幕戦を終えて対局を振り返る、勝利した羽生善治九段(右)と敗れた藤井聡太王位=東京都渋谷区の将棋会館で22日午後7時35分、滝川大貴撮影

 渡辺明王将(36)が広瀬章人八段(33)をフルセットの激闘の末に破り、王将戦2連覇・通算4期を達成してから約半年が過ぎ、第70期王将戦のリーグ戦が開幕した。

 今期リーグのメンバーは①広瀬②豊島将之竜王(30)③藤井聡太王位(18)③羽生善治九段(49)⑤永瀬拓矢王座(28)⑤木村一基九段(47)⑤佐藤天彦九段(32)――の7人。永瀬、木村は初のリーグ入りになる。注目は今夏に棋聖、王位を立て続けに獲得、史上最年少タイトル記録を更新した藤井で、3冠への最短距離はこの王将戦にかかっている。開幕戦の相手は前期4勝2敗の同星で、ともに順位3位となった羽生。これまで3戦全勝(未放映のテレビ対局を除く)と負けなしの相手だが、通算タイトル獲得99期、王将12期で永世王将の資格を持つ羽生は挑戦に向けて難関であることは間違いない。【山村英樹】=▲が先手、△は後手

<第70期大阪王将杯王将戦リーグ1回戦>

2020年9月22日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲藤井聡太王位

△羽生善治九段

▲7六歩   △3四歩  ▲2六歩  △8四歩

▲2五歩   △8五歩  ▲7八金  △3二金

▲2四歩1  △同 歩  ▲同 飛  △8六歩

▲同 歩   △同 飛  ▲3四飛  △3三角

▲5八玉   △4二銀  ▲3六歩3 △4一玉2

▲3七桂1  △2二歩1 ▲3八銀  △7二銀1

▲9六歩15  △8二飛4 ▲8四歩1 △2三金7

▲3三飛成19 △同 桂2 ▲6六角  △6四歩7

▲7七桂23  △3二玉18 ▲5六角67 △4四歩21

▲9五歩16  △5四歩21 ▲9四歩40(第1図)

 藤井は前期リーグの最終局で、4勝1敗の同星決戦となった広瀬に敗れて挑戦権を逸した。最後に自玉の受けを誤って詰まされてしまう負け方だった。もし挑戦権を獲得していれば、5カ月ほど早く最年少タイトル挑戦記録を達成していたが、快挙の達成は今年に持ち越しとなった。

 だが、年が明けて棋聖戦、王位戦では勝ち進み、続けて挑戦権を獲得。途中新型コロナウイルス感染拡大の影響で、約2カ月対局できない時期もあったが、藤井はこの期間に自身の将棋を見直し、周囲は「一段と強くなった」という感触を持った。結局2冠を獲得し、将棋界の中心的存在として今期リーグに臨む。

 あらかじめ先後が決まっており、羽生は横歩取りに誘導した。相手の注文を拒まない藤井は注文に乗る。オールラウンドプレーヤーの藤井だが、横歩取りでは勝率が悪いデータがある。当然、藤井にとっても予想の範囲内で研究を深めていたはずだ。飛角交換から持ち駒の角を5六に据え、▲9四歩と端攻めで戦端を開いた。

 第1図以下の指し手

△9四同歩8 ▲9二歩  △同 香1 ▲9三歩2

△同 香12  ▲8五桂  △5五歩1 ▲同 角11

△8四飛14  ▲8六歩2 △3五歩10 ▲9三桂不成10

△同 桂6  ▲4四角(第2図)

 羽生は本局の5日後に50歳の誕生日を迎える。前週には、竜王戦挑戦者決定三番勝負で丸山忠久九段(50)を2勝1敗で破り、10月から始まる豊島との七番勝負に名乗りを上げた。空前の通算100期がなるかどうか、2年ぶりのタイトル戦になる。

 その終局直後の記者会見で羽生は「30、40代でも強い人はたくさんいますし(同年代の)久保さん(利明九段)も王座戦で挑戦中。あまり世代にこだわらず目の前の一局を大切に続けていきたい」と言った後、藤井について「2冠という大きな実績を残されていますし、日々の対局を見て参考にしたり、勉強したりしています」と年齢差や実績にとらわれず実力者として認めている表現をした。

 藤…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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