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追い求め、分け入り、辿(たど)り着いた壮大な仮説
◆『幻のアフリカ納豆を追え!』高野秀行・著(新潮社/税別1900円)
高野作品を読む行為は「巻き込まれる」なんて言葉が似合う。世界各地にある「未確認納豆」を探し求める一冊、アフリカ納豆のエリアはイスラム過激派が活性化しているエリアばかりなので「納豆が陰でイスラム過激派の糸を引いている」のだろうか、なんて筆致に、そうに違いない、なんて思い始めてしまう。
納豆といえば日本の食べ物でしょ、という権威主義への疑いを持続させながら、ナイジェリア、セネガル、ブルキナファソ、韓国などを旅する。治安の悪い場所を駆け抜けながら、納豆らしきものは本当に納豆なのかと問い、納豆ではないような気がするものをもしかしたら納豆なのではないかと期待する。
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