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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『わさびの日本史』山根京子・著

◆『わさびの日本史』山根京子・著(文一総合出版/税別2500円)

 表紙は、山葵(わさび)色。扉や目次もその色に染まっていて、本の見た目からしても山葵らしさを体現している。

 山葵は純然たる日本の固有種で、千年以上前から使われているものの、今のように生の魚との組み合わせが一般的になったのはそれほど昔のことではないらしい。平安時代には汁の実にされたり、中世には「焼いた魚をほぐしたものにお酒に浸したワサビをつけて食べ」られたりしていたそうだ。江戸時代、まぐろが東京湾で数多(あまた)獲れ、関東で醬油の生産が盛んになったとき、そこに山葵も加わって三位一体となり、今日の食卓とも重なる一品があらわれた。

 薬味である山葵は、他のなにかと組み合わされて活(い)きるもの。もし、その「なにか」が、山葵を必要としなくなったら。お寿司はさび抜きで、お刺し身は生姜(しょうが)、あるいはオリーブオイルと塩で、そういう食べかたが多数派になったなら、山葵は立つ瀬がない。あるいは、辛(から)い、という個性を他の薬味に求めるようになったとしたら。

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