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余録

「懸炭」とは、江戸時代の書物にある…

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 「懸炭(けんたん)」とは、江戸時代の書物にある天気予報の仕掛けである。棒の片端に炭をつるし、もう片方に同じ重さの分銅(ふんどう)をつけて家の中にかけておく。雨が近いと湿気を吸った炭が重くなり、棒が傾いて分かるとか▲気象学者の根本順吉(ねもと・じゅんきち)が随筆で紹介していたが、このアイデア、中国では古くからあったという。すでに紀元前2世紀の書物に、湿気により炭が重くなる現象が記されている。炭のほかに湿気を吸う土も用いたバランス天気予報だった▲今はじゃまなてんびん棒を家につるさなくとも、天気予報は刻々とテレビやネットで分かる。台風12号は予想より東の海上を通るということで、気象庁のホームページ(HP)を開いたら「広告枠」という白いスペースが目についた▲気象庁のHPで広告の掲載を始めたところ、違法の恐れのあるものなど不適切な広告が相次いだという先日の報道だった。わずか1日で掲載中止して対策を検討することになり、異例の役所のHP広告はのっけから大きくつまずいた▲年間閲覧回数79億回という気象庁HPだが、その運用費用の一部をまかなうための広告掲載である。だが同庁の広告掲載基準と民間の広告運用システムの基準の違いが調整されぬまま、約100件もの不適切な広告が掲載されたのだ▲空白の広告枠はその結果で、そもそも防災に必須(ひっす)なHPに広告とは家の中のてんびん棒並みのじゃまとの批判もある。気象情報への信頼に便乗する怪しげな宣伝封じで問われる、気象庁のバランス感覚だ。

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