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社説

混乱するベラルーシ 市民との対話が欠かせぬ

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 旧ソ連のベラルーシで、8月の大統領選挙の結果を認めない市民たちによる10万人規模の抗議デモが1カ月以上続いている。

 大統領選で政権側は有力な対立候補を事前に拘束するなどした。逮捕された候補者の妻で38歳の主婦、チハノフスカヤ氏が立候補すると支持を広げ、得票が7割に上ったとの独立系メディアの出口調査もあった。

 これに対して、中央選管はルカシェンコ氏の得票が8割に上り、チハノフスカヤ氏は1割にとどまったと発表した。選管発表に抗議する市民を治安機関が弾圧し、数千人を拘束した。死者4人が出たとの情報もある。

 内陸国のベラルーシは、欧州連合(EU)諸国とロシアに挟まれている。

 欧米は選挙が「公正でも自由でもなかった」と市民の側に立つ。ロシアのプーチン大統領は、6選を主張するルカシェンコ氏への支持を打ち出している。欧米もロシアも「ベラルーシへの介入は許されない」とけん制し合っている。

 66歳のルカシェンコ氏はソ連からの独立後の1994年に初当選し、四半世紀以上君臨してきた。旧ソ連並みの警察国家を築いて野党や反体制派を徹底排除し、「欧州最後の独裁者」と呼ばれる。

 独裁が長期化したのは、憲法改正を重ねて大統領の任期を延長し、多選禁止条項を撤廃したからだ。退陣を要求する反政府デモはこれまでにもあったが、当局による弾圧で抑え込まれた。

 チハノフスカヤ氏は脱出先の隣国リトアニアから政権側との対話を訴えている。しかし、ルカシェンコ氏はこの呼びかけを無視している。大統領就任式を強行したことで、混乱がさらに深まるのは避けられない。

 ベラルーシの南部で国境を接するウクライナでは、2014年の政変でロシアの軍事介入を招き、欧米側とロシアの対立が決定的になった。ウクライナに次ぎ、ベラルーシが欧米とロシアの新たな対立の舞台になりかねない。

 抗議は規模、広がり共に過去に例を見ない。かつては若者中心だったが、今回は年齢や性別に関係なく、幅広い人々が独裁打倒を訴えている。政権は国民の声に耳を傾け、解決の道を探るべきだ。

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