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今週の気持ち

今週の気持ちは「ひとりで生きる」

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 「女・男の気持ち」(2020年9月17~23日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版9月19日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

ひとりで生きる 名古屋市西区・松浦孝子さん(無職・72歳)

 「少しは落ち着かれた?」。ご近所の奥さんにそう尋ねられた。夫が亡くなって7カ月。いろいろな方の声かけを心からありがたいと思う。

 夫は食道がんで3カ月の闘病の末、黄泉(よみ)の国へ旅立った。「まだ生きたい」と頑張ったが、手ごわいがんは容赦してくれなかった。二人三脚の3カ月間が、夫婦の結びつきをいっそう強めてくれたように思う。

 亡くなったばかりのころは喪失感があまりにも大きく「夫のいない人生なんて生きる意味がない」と嘆き、慰めや励ましの言葉も素直に受け取れなかった。「いつまでも悲しんでいてはご主人が浮かばれないよ」「いつもあなたのそばで見守っていてくれるよ」などと言われれば、「夫は焼かれて無になったの。霊魂なんて気配も感じないわ」と心の中で毒づいていた。夫の死を認めることのできない自分がいた。

 私はこれまで「いつも穏やかだね」「素直だよね」とほめられることが多かった。その私が反抗心の塊のようになり、他人の厚意を素直に受け止められなくなっていた。仏間の遺影を見ても、熱心に経を読んでも、夫を身近に感じることができず悩んだ。

 時は偉大だ。私のかたくなな心を、時が少しずつほぐしてくれる。「孝子、頑張れ」と応援してくれている、とまでは思えないが、私が強く生きれば夫も喜ぶのかなあと思えるようになってきた。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 今年1月8日、東京本社版の女の気持ちに「二人三脚で」と題した原稿が掲載されました。今回の筆者である松浦さんが、食道がんで入院中の夫を支える日々をつづった投稿です。掲載後、同じ病と闘う方やそのご家族の方から、松浦さんあてのお便りが編集部に寄せられました。

 担当記者も今回の投稿で、掲載の翌月に松浦さんのご主人が亡くなったことを知りました。松浦さんに連絡を取ると「あのときは皆さんからの励ましが本当にうれしかったです。ようやく書く気になりました」と話してくださいました。ご自身で書かれていた通り、「時は偉大」ですね。当コラムや愛読者の皆さんの輪が、これからも松浦さんの支えになることを願っています。

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