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君は俺の小説、読みこなせるか 新作発行目標、10万円×50セット  作家・丸山健二さん

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昨年7月、長野県の大町市の自宅で執筆について語る作家の丸山健二さん=2019年7月8日、藤原章生撮影
昨年7月、長野県の大町市の自宅で執筆について語る作家の丸山健二さん=2019年7月8日、藤原章生撮影

 文学には読者が30人いれば十分。俺が書き、俺が出版する――。長野県大町市で小説を書き続ける作家、丸山健二さん(76)は自ら出版社「いぬわし書房」を立ち上げ、4巻2450ページに及ぶ新作「ブラック・ハイビスカス」の予約販売に乗り出した。1セット10万円と高価で、目標発行部数はわずか50。著名な作家がこうした形で出版するのは極めて異例だ。

 インタビューは大町にいる丸山さんとウェブ会議システムで結んで行った。今回の試みの理由を聞くと、デビュー当時の話を始めた。死刑囚担当の若い刑務官の日常をつづった「夏の流れ」で、1966年下半期の第56回芥川賞を当時史上最年少の23歳で受賞。その後、勤めていた東京の商社をやめ、大町に移住し、執筆活動に専念した。

 なぜ中央文壇に背を向けたのか。「文芸の世界は非常に幼稚だとわかってしまったんです…

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