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「友達やめた。」 アスペルガーの友人との日々描く ろうの監督が映画で伝えたかったこと

映画「友達やめた。」のワンシーン。まあちゃん(左)と話し合う今村彩子監督©2020 Studio AYA

 生まれつき耳の聞こえない「あやちゃん」と、アスペルガー症候群の友人「まあちゃん」とのコミュニケーションの葛藤を描いたドキュメンタリー映画「友達やめた。」が東京・新宿の「K’s cinema」などで上映中だ。マイノリティー同士だからこそ分かり合えるはず――。そんな期待が砕かれ、それぞれの生きづらさと「常識」の違いに戸惑うさまを、約1年半にわたって記録したものだ。ネットを介したコミュニケーションが当たり前になり、無難な人付き合いが好まれる昨今。ぶつかり、傷つき、それでもコミュニケーションをあきらめないのはなぜなのか。製作した「あやちゃん」こと今村彩子監督(41)に、その思いを聞いた。【野村房代/統合デジタル取材センター】

 アスペルガー症候群とは、発達障害の「自閉スペクトラム症(ASD)」の一つ。知的な遅れはないため気づかれにくいが、他人の意図や感情を言外から読み取る、いわゆる「空気を読む」ことが苦手で、対人関係に問題を抱えることが多いとされる。

 例えばまあちゃんの場合、今村さん宅で今村さんの祖母が作ってくれたご飯を食べる時に「いただきます」を言わない。レストランでは、今村さんが頼んだ飲み物を勝手に飲んでしまう。一緒に旅行中、今村さんが疲れていても気に留めず、スタスタと歩いて行ってしまう――といった具合だ。

 中学生の頃から日記を書いているという今村さんと、うつの治療をきっかけに日記をつけるようになったまあちゃんは、「話すより冷静に素直な気持ちが書ける」と交換日記でお互いへの思いをつづる。「どこからがアスペルガーで、どこからがまあちゃんの性格なのか」と悩みを打ち明ける今村さんに対し、まあちゃんもまた「ことばが攻撃的。何か言えば(自分を)正当化…

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野村房代

2002年入社。岡山支局、東京・生活報道部などを経て20年春から統合デジタル取材センター。ファッション、アート、カルチャーについて主に取材。また、障害や差別など光が当たりづらいマイノリティーの問題に関心がある。1児の母。共著に「SNS暴力 なぜ人は匿名の暴力をふるうのか」(毎日新聞出版、2020年9月発売)

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