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的川博士の銀河教室

的川博士の銀河教室 615 「はやぶさ2」地球へ

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イオンエンジン運転9000時間超

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)はさる17日、小惑星(しょうわくせい)探査機「はやぶさ2」が地球へ帰る旅で、主エンジン(イオンエンジン)の最終運転を終えたと発表しました(図)。はやぶさ2は今後、ガスジェットを駆使(くし)して最終ステージに入り、今年12月6日、オーストラリアの砂漠(さばく)へ、小惑星リュウグウの石などが入っているとみられるカプセルを着陸させます。見事に地球にカプセルを届けた初代「はやぶさ」のような成功を祈(いの)ります(写真1)。

 2019年11月にリュウグウを出発したはやぶさ2は、11月~今年2月と今年5~8月の2回にわたるイオンエンジンの連続運転を計画通りにこなしました。今回の運転は探査機の軌道(きどう)を地球へ向けて微(び)調整するのが目的で、今月15日午後10時過ぎに開始。約30時間運転し、17日午前3時15分ごろにエンジンの停止を確認しました。イオンエンジンはリュウグウへの往復で9000時間あまり運転したことになります。長い間のお役目、本当にご苦労様でした。

 イオンエンジンの運転を終え、開発責任者の西山(にしやま)和孝(かずたか)さんは、ツイッターでこうつぶやいています。「(初代)はやぶさのときは最後はボロボロで、とぼとぼ歩きながらかろうじてゴールにたどり着いたような感じでした。対照的にはやぶさ2は最後まで最大推力を発揮できる状態でした。(次の小惑星を目指す旅でも)イオンエンジンが役目を果たすことで、次の世代にバトンを渡(わた)していきましょう。どうもありがとうございました!」

 写真2には、西山さんとともに、初代「はやぶさ」の時代からミッションを支え続けた細田(ほそだ)聡史(さとし)さんの姿も見えています。西山さんが書いている通り、12月5日に地球に向けてカプセルを放出する「はやぶさ2」は、再びガスジェットを噴(ふ)いて大きく軌道修正し、第2の旅に出ます。そのこともいずれ語りましょう。

 「はやぶさ2」の津田(つだ)雄一(ゆういち)プロジェクトマネジャー(写真2)がさる9月5日、神奈川県横浜(よこはま)市のはまぎんこども宇宙科学館のウェブ講演会に登壇(とうだん)し、小惑星探査を成功に導いたチームワークについて語りました。リーダーとして率いたチームは国内外の科学者ら約600人。津田さんは「たくさんのメンバーでこれだけのことができ、成果を分かち合うことができたのは、一人の人間としても人生が豊かになる経験だった」と振(ふ)り返(かえ)りました。

 まだミッションが終わってはいませんが、19年11月に探査機がリュウグウを出発するとき、あるメンバーが「はやぶさ2は、みんなが『自分がいなければ成功しなかった』と思えるプロジェクトだよなあ」と話したそうです。津田さんは「とてもうれしい言葉だった。皆(みな)がそう思えるのは素晴らしいことだなと思った」と笑顔で語っていました。


的川泰宣(まとがわやすのり)さん

 長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


日本宇宙少年団(YAC)

 年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac−j.or.jp


 「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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