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余録

「上野手前にて餅を喰い、浅草にてそばを喰う…

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 「上野手前にて餅を喰(く)い、浅草にてそばを喰う……観音に参詣、おばけの見せ物を見物いたし、少し向かいにて、あなご、いも、鮹(たこ)の甘煮にて酒を呑(の)み飯を喰う」。江戸勤番(きんばん)の紀州藩士のある日の日記である▲続いて「吉原見物に行く、初めておいらん道中を見る、西瓜(すいか)一切喰う。それより両国橋へ行く」。両国でも見せ物を見たから、まあ勤番武士とはよく遊ぶものだ。5カ月余の間に、こんな江戸での物見遊山を40回近く繰り返している▲安藤優一郎(あんどう・ゆういちろう)著「観光都市 江戸の誕生」から引いたが、まさにGo Toトラベル、同イート、同イベントの一手引き受けのようなお侍である。先の4連休には東京の観光地も人であふれたが、来月からは一体どんなことになるのか▲10月1日から東京発着の旅にGo Toトラベルが適用され、イート、イベントのキャンペーンも近く始まるという。試練に耐え続けた旅行、飲食、イベント業界も、長い巣ごもりに飽いた人々も待ちわびた「物見遊山」の秋だろう▲むろんコロナが収束したのではない。「ハンマー&ダンス」とは都市封鎖など感染拡大封じの強圧策(ハンマー)と、経済回復と感染防止のバランスを重視する策(ダンス)を表す言葉で、今はウイルスと踊る時ということのようだ▲世界的には感染拡大が続き、欧州での感染再拡大も報じられる。Go To再拡大へのつかの間のダンスになってしまわぬかどうか。くれぐれも感染防止の基本だけは忘れずにいたい令和の物見と遊山である。

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