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「楽しみあい、渡しあう家族」主演ニノが語る映画「浅田家!」 10月2日公開

二宮和也さんは主人公の写真家、浅田政志さんを演じた=(C)2020「浅田家!」製作委員会

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 コスプレして撮影した家族写真で注目された写真家、浅田政志さんとその家族をユーモアたっぷりに描いた映画「浅田家!」(毎日新聞社など製作委員会)が10月2日、全国公開される。実話に基づく笑いと涙にあふれた感動の物語。自由奔放で人間味あふれる政志を演じた主演の二宮和也さんと、社会学者・作家で、バラエティー番組にも出演する古市憲寿さんに、本作の魅力とコロナ禍での家族の姿、若者の生き方など縦横に語ってもらった。【鈴木隆、写真・内藤絵美】

 古市 浅田家のみんながチャーミングでした。お父さんは料理上手で、お母さんが外に出て稼いでくる。常識にとらわれず自分たちの発想で家族の生活を楽しくしていてすてきです。授賞式のシーンなど団結感もあり、同じ方向を向いています。

 二宮 撮影前に実際の浅田政志さんの家族のみなさんと会いました。熱量が高くて、おもしろいと思ったらその方向に一気に向かっていく家族です。特に感じたのは、政志さんのお兄さんの存在です。お兄さんは「両親を喜ばせるのは政志しかできない」とコスプレ写真を撮るための段取り、交渉を一手に引き受けたそうです。お兄さんがいなければ今のこの家の形は成り立っていないと感じました。

 古市 みなさんとても仲がいいけど、お互いに依存していないんですね。それぞれ得意なことや不得手なことはあって、助け合うけど、依存しあって文句を言うのではなく、ちゃんと独立している。お互いの距離感がきっちりある。それが魅力の背景にあります。

 二宮 自分たちが楽しむというのが大前提にあって、それをお互いに「渡しあっている」感じがしました。これをしたら相手は喜ぶとか、ちゃんと思いやっているんです。しかも、愛情の度合いが同等なんです。これって、そうあることではないと思います。

 古市 全員すごい家族です。理想的な家族と言ってもいいです。そもそも、家族の写真なんて、大人になってからあまり撮らないですよね。二宮さんにとっての理想的な家族とは。

 二宮 少し照れくさかったり、恥ずかしかったりすることでもナチュラルにできる家族でしょうか。例えば、町内のゴミ拾いとかに参加するのもいい。住んでいる地域だから住みやすくしようと。そういう家ってやっぱりいいですよ。

「ニノ」と地続き

 古市 この映画、写真も含めて二宮さんのいろんな顔が見られます。僕は二宮さんのファンの一人ですが、彼は俳優としてもバラエティーに出ているときも、地続きの魅力があります。「ファンが知っているニノ」と「テレビに出ているニノ」がつながっている実感がもてるんです。

浅田政志さんの写真集「浅田家」の写真「消防士」を、二宮和也さんら映画「浅田家!」のキャストが劇中で再現=浅田政志さん撮影

 今回、浅田さんを演じていても全然うそっぽくない。ほかの映画でも、こんな人が本当にいると感じることができる。役者として常に跳躍はしているでしょうが、なめらかというか、現実感があるんです。

 二宮 そんなに意識はしていないけど、これがあるから次があるとは思っていませんね。現場に入る時に、これが最後だと思って、全力でやりきることに重きを置いています。

 この作品でも、一番考えたのは浅田さんを過大にも過小にもしないこと。これから先、もっとすごい人になっていく。ですから、あまり美談にしないように気をつけていました。ただ今回、衣装合わせで初めて2日かかりました。写真集の服を全部着ましたから(笑い)。

コロナ禍の今こそ

 古市 映画の後半は東日本大震災の被災地で、写真の洗浄に関わる浅田さんの話です。写真が学校に並ぶシーンはすごかったです。写真って情報量は少ないけど、記憶を喚起させるパワーはあると思いました。写真の力のすごいところです。

 当時、若い人の社会貢献活動が注目を集めましたが、ボランティアで東北に行った人が10年近くたった今も現地に残って仕事をしているという話を聞きました。地産地消のレストランなどで働いて、復興の長期的な流れにつながっているんですね。

 映画でも、いろんなものが奪われた地域なのに、子供が無邪気に「海が好き」と写真を撮るシーンは印象的でした。

 二宮 やはり、映画の中で自衛隊の人が、人の顔を踏んで作業はできないから、写真だけはよけて別の場所に置いている、という話も心に残りました。人間の心が失われていく中で、つなぎ留めてくれたのが写真で、人様の写真を見て自分もこの場所に行ったと思い出せる喜びもあった。壁に張られた写真の数々には、そんな娯楽に近いものを見いだせる面もあったようです。

 コロナ禍の今、この映画が公開日に予定通り上映されることは本当にありがたいと改めて思っています。ほかにもたくさん映画があって、いろんな作品に触れてほしいと思っているし、映画全体を考えるきっかけにもなりました。10年、20年たったときに激動の時期だったと思い出す映画になりましたね。

 古市 コロナの今だから、会わない愛情もあるんだ、とすごく思いました。会わないほうが優しさがある。映画でも、家族の、お父さんの一大事にお母さんが息子を送り出してあげるシーンがある。離れていてもちゃんとつながっている、思いやることでも家族は十分に成立する。会わない愛情というものを、今の時期だからこそよけいに感じました。

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