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余録

東京スカイツリーにほど近い児童公園に…

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 東京スカイツリーにほど近い児童公園に、「東京帝国大学柳島セツルメント跡」という記念碑がひっそりと建っている▲関東大震災の救護にあたった学生たちが、翌年からこの地域に住み込み、セツルメントと呼ばれる地域生活支援の活動をした。その歴史を伝えようと、墨田区が10年前に建てた▲社会運動家で、ボランティア活動の先駆者として知られる賀川豊彦さんが、震災直後に神戸から駆けつけて活動したのも、この地域だった。学生の組織の立ち上げにも関わったようだ。両者の活動は、医療、教育から法律相談まで幅広く、保育所も作った▲町工場が多い墨田区は、明治後期には工場内に託児所ができるほど、保育の歴史が古い。学生らは震災後、子どもたちが、共働きの親の代わりに、妹や弟の世話をしなければならないのを見て、新しい保育所を考えたという▲学生の組織は、思想統制が強まるなかで解散したが、賀川さんの活動は今も引き継がれている。当時、彼のもとに集まった青年たちは、保育所の設立を母親たちにこう呼びかけた。「わが子の保育、教育ということも、自分の子だけといった個人主義を捨てて、親たちも協同して、みんなの子どもの保育を考えねばならない」▲厚生労働省が今月初めに発表した待機児童の数は1万2439人。過去最少だが、解消にはほど遠い。量だけでなく、質の問題もある。震災後のセツルメント運動から約100年。社会で子どもを育てる考え方は、どこまで実を結んだだろうか。

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