「多頭飼育崩壊」 近隣住民の訴えから2年、対策取られず 行政はなぜ動かなかったのか

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「猫は息子や娘みたいなもの」と語る約80匹の猫を飼う男性=愛知県新城市で2020年9月25日午前11時18分、川瀬慎一朗撮影
「猫は息子や娘みたいなもの」と語る約80匹の猫を飼う男性=愛知県新城市で2020年9月25日午前11時18分、川瀬慎一朗撮影

 愛知県新城市の民家で猫が大量繁殖し、飼い主が十分に飼育できない「多頭飼育崩壊」が起きている。9月末時点で約80匹の猫が確認されている。近隣住民からはにおいに関する相談が市に寄せられていたが何の対策も取られず、市民団体が事態を把握するまで2年が経過していた。

二重のマスクでも強烈なにおい

 新城市の山あいに住宅が密集する地区の一角。25日、記者は飼い主の60代男性宅を訪問した。マスクを二重にしていても強烈なにおいが鼻をつく。廊下には餌や排せつ物が散らばり、土足で上がるよう促された。

 2階建ての家の室内はひっかき傷だらけで家の多くが猫に占拠されていた。皮膚がただれたり、片目がつぶれたりしている猫の姿も。男性によると、5年ほど前に1匹の雌の野良猫を飼い始め、数匹の子猫が生まれた。去勢・不妊手術などはせず、猫は近親交配を繰り返したと思われ、気がつけば70匹を超えていた。「手術をしたこともあるが、猫が可哀そうになってやめた。お金もない」。独身の男性は月15万円の年金とアルバイトによ…

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