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大相撲秋場所 優勝争いを盛り上げた角界の人気者 新入幕・翔猿の生い立ちとは?

大相撲秋場所千秋楽、正代に敗れて初優勝を逃し、肩を落とす翔猿=東京・両国国技館で2020年9月27日、宮間俊樹撮影

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 まれに見る大混戦となった大相撲秋場所。106年ぶりの新入幕優勝こそ逃したが、台風の目となり、最後まで優勝争いを盛り上げたのが前頭の翔猿(28)=本名・岩崎正也、追手風部屋=だ。175センチ、131キロと幕内では小柄な体ながら、「とびざる」のしこ名を体現する素早い動きで大型力士を翻弄(ほんろう)し、明るい人柄であっという間に相撲ファンの心をつかんだ。一躍、角界の人気者に躍り出た翔猿の生い立ちとは。

 東京都江戸川区出身。三つ上の兄、十両の英乃海(31)=木瀬部屋=の後を追って小学1年から相撲を始め、中学に進んだ兄が「葛飾白鳥相撲教室」(東京都葛飾区)に入ると、同じ相撲教室に入門した。指導した佐久間幸一さん(70)は翔猿について「運動神経が良く、稽古(けいこ)も一生懸命やっていたが、目を離すとすぐ人にちょっかいをかけていた」と目を細める。兄のほか、千代大龍(31)=九重部屋=や剣翔(29)=追手風部屋=も教室の仲間で、週に3回、午後5時から遅い時は午後10時ごろまで稽古に励んだ。

2006年全国中学選手権に出場した翔猿(前列中央)の写真を指さす佐久間幸一さん=東京都葛飾区で2020年9月26日午後1時24分、黒川優撮影

 小学生のころは同学年の児童たちと比べて体が小さく、なかなか勝てなかったという。落ち込む翔猿を、佐久間さんは「うちの子はみんな中学に上がると強くなるから大丈夫」と励ました。中学に進んでからは体の成長とともに足腰がしっかりし、「一番気が強い」という理由から先鋒(せんぽう)を任され、3年時には全国大会で団体優勝も果たした。

サルをあしらった化粧まわしで土俵入りする翔猿=東京・両国国技館で2020年9月26日、北山夏帆撮影

 その後、強豪の埼玉栄高、日大へと進み、大学の先輩で尊敬する幕内・遠藤(29)に続いて追手風部屋に入門。2015年初場所での初土俵から2年半かけて関取に昇進したのに伴い、しこ名を本名から翔猿に改名。申(さる)年生まれと、「サルみたいに素早い動き」からしこ名に「猿」を入れることにこだわったという。当時からのファンで、十両昇進に合わせてサルのデザインをあしらった化粧まわしを贈った岡山県倉敷市の医師、藤野俊夫さん(72)は「人なつっこくてかわいくて、妻が大ファンになってしまった」と話す。

 今場所の幕内昇進に合わせ、青い締め込みも新調した。大型力士に真っ向から立ち向かうためにけがも多かったことから、後援者と話し合い、医療従事者への感謝を示すシンボルカラーの「ブルー」に決めた。コロナ禍で夏場所中止も経験し、翔猿は「相撲を取れているのは、医療従事者の方々のおかげ」と話す。藤野さんは「同じ医療従事者としてありがたい。いろいろなところに気を配れる『サルちゃん』らしい」とうれしそうだ。

 場所中、「楽しむ」と繰り返し、最後まで笑顔を絶やさなかった翔猿。28歳にして、さっそうと現れた「角界の人気者」の今後に注目だ。【黒川優】

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