秋季高校野球
県大会 仙台育英「無敵」9連覇 柴田、7年ぶり東北大会へ /宮城
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第73回秋季東北地区高校野球県大会(県高野連主催、毎日新聞仙台支局など後援)は27日、楽天生命パーク宮城で決勝があり、仙台育英が一回の先制点を守り切り、県内で甲子園出場を競い合う東北とのライバル対決を制した。仙台育英は大会9連覇、24回目の優勝。これに先立つ3位決定戦は柴田が8―4で古川学園を降し、仙台育英、東北とともに秋季東北大会出場を決めた。柴田は7年ぶり3回目の出場となる。
東北大会は10月14日に石巻市民球場と仙台市民球場を会場に開幕。組み合わせ抽選は同7日にある。県大会と東北大会の結果は来春センバツの出場校を決める重要な選考資料となる。【面川美栄、藤田花】
東北一本が出ず
<楽天生命パーク宮城>
▽決勝
東北
000000000=0
30000000×=3
仙台育英
(東)鍵本、庄司―中道
(仙)古川、伊藤―木村
仙台育英は一回、秋山の左前適時打で先制。藤井の右前適時打で2点を追加した。先発・古川は4回6奪三振と好投し、五回以降もエース・伊藤が無失点で守り抜いた。東北は二、四回に2死一、二塁の好機を作るが、あと一本が出なかった。
古川学園及ばず
▽3位決定戦
柴田
011004110=8
000200101=4
古川学園
(柴)谷木―舟山
(古)三浦、吉田陽、三塚、秋山―小川
▽本塁打 村上(柴)
▽二塁打 沼田、松田(柴)佐藤(古)
柴田は二回に大和田、三回に舟山がそれぞれ犠飛で得点しリード。六回には村上の2ランなどで差を広げた。古川学園は四回、近藤の2点適時打で一時同点に追いつき、七、九回にも追加点を挙げ迫ったが、及ばなかった。
本塁打で恩返し
○…六回に勝ち越しの2点本塁打を放った柴田の村上太生輔は試合後、記念のホームランボールを平塚誠監督に手渡した。試合前、準決勝で3三振と振るわなかった村上に、来月誕生日の平塚監督は「勝利の誕生日プレゼントをくれ」と発破をかけていた。東北大会出場が懸かる大一番、緊張の場面ながら村上は「ここで打たなきゃ勝ち越される、絶対に打ってやると思って臨んだ。感触は完璧だった」。勝利の流れを決定づける、大きな一打となった。平塚監督は贈られたボールを握りしめ「最高。こういう形で恩返ししてもらえるとは本当にうれしい」と笑顔。村上は「自分もチームも課題があり、まだこれから。絶対センバツに出たい」と目標を語った。
■ズーム
継投でエースの力を発揮 仙台育英・伊藤樹投手(2年)
好投した先発・古川翼投手(2年)の後を継ぎ、五回からマウンドを任されたエース。最後まで強豪・東北に二塁を踏ませることはなかった。
須江航監督は、東北との対戦が決まった時、この2人でいくと決めた。継投リレーがはまり、零封で締めた伊藤を、監督は「よく準備して仕上げた。エースにふさわしい素晴らしいピッチングだった」とたたえた。
この1年、ストレートの強さにこだわってきた。だが夏の東北大会では、変化球の修正が利かなかったり、四球を連発したりする課題も見え、ウエートトレーニングで下半身を強化。制球が安定し、キレのある直球や変化球も投げられるようになったという。
新型コロナ禍で迎えた甲子園での短い夏が終わり、向坂優太郎投手(3年)から背番号1を引き継いだ。「大舞台の経験がある身として、自分が冷静に周りを見て、声をかけていかなくてはいけない」。責任を自覚し、経験が少ない1年生や初の公式戦を経験する2年生に目を配る。
エース1人が引っ張るのではなく、助け合う「継投の仙台育英」こそがチームの強さと信じる。「日本一に向け、日々練習していきたい。その結果を東北大会で出す」と意気込んだ。【面川美栄】