メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

テニスの大坂なおみ選手は…

[PR]

 テニスの大坂なおみ選手は全米オープンに毎試合、黒人差別反対の黒いマスク姿で出場し、「あなたはどんなメッセージを受け取りましたか」と問いかけた。もちろん、その問いは私たち日本人にも向けられている▲「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ、BLM)」運動が告発するのは、米国社会で感じる命に関わる生きづらさだろう。その始まりは400年前、海の向こうから奴隷として無理やり連れてこられた強制にある▲奴隷は解放され、公民権が与えられても、時代ごとの合法的制度が差別構造を温存してきた。抗議デモの「400年続いている」という叫びは、歴史の源流が今に続くと訴えている。運動が波及した英国でも植民地主義者らの像が倒された▲朝鮮の人々を当人の自由な意思に反し、海を越えて連れてきて働かせた歴史は日本にもある。条約を結び、法律に基づき、形式的同意を得たといっても、構造的な支配の仕組みを使ったやり方は、黒人差別の歴史と重なる▲日韓首脳が9カ月ぶりに話をした。菅義偉首相は元徴用工問題で冷え込む両国関係を「放置してはいけない」としながらも、韓国側に「適切な措置を求める」立場を強調した▲合法的であることは重要だが、万能でも不変でもない。「完全かつ最終的解決」を取り決めた日韓基本条約も、時の国際情勢と両国トップによる政治決断の産物だった。BLM運動は米国史にとどまらず、世界中の支配し支配された歴史に対する問いかけでもある。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 社民・福島党首「党大会すべきでない」 幹事長「招集済み」 立憲合流巡り混迷深まる

  2. NHK、総務省提案の受信料義務化に慎重姿勢 「支払いは視聴者理解のもと」

  3. 菅首相、韓国の差し押さえ資産現金化「極めて深刻な事態招く」 元徴用工問題

  4. 「倒れそう」と職員悲鳴 接触確認アプリで保健所に電話殺到 なぜパンク寸前に?

  5. 「はじめの一歩」船田元 「イエス」だけで固めるなら学術会議の価値がなくなる

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです