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社説

コロナと図書館 知の泉を枯らさぬように

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 学習や研究、仕事の調べものに困った人は少なくなかったはずだ。新型コロナウイルスの感染拡大で、人が集まる図書館は一時休館を余儀なくされた。再開後も、さまざまな制約が伴っている。

 政府の緊急事態宣言下で、休館措置は全国の図書館に広がった。博物館や図書館を支援する有志のプロジェクトによると、5月初めの時点で調査した全国の自治体などの公共図書館1692館のうち92%が休館していたという。

 宣言解除後はほとんどで再開されたが、ガイドラインに従って滞在時間に30分や1時間といった制限を設けたり、閲覧の座席数を半減したりするなどの対応は続いている。

 一方で、本との接点を絶やさないため、休館中もさまざまな試みが行われた。

 沖縄県嘉手納町などでは屋外で青空図書館を開催した。ほかにも図書館員による本の宅配や、ドライブスルーによる貸し出しをする図書館もあった。

 コロナ下に限らず、宅配サービスはアクセスが困難な高齢者らにとっても助けになるだろう。

 オンラインで電子書籍を貸し出す電子図書館サービスも注目されている。自動読み上げ機能などは視覚障害者へのサービスとなる側面もあり、公共図書館では2000年代半ばから普及が始まった。

 電子出版制作・流通協議会によると、導入済みは7月時点で100自治体だが、長引くコロナ禍を受けて新たに30ほどの自治体が準備を進めているという。

 図書の充実や利用方法の習熟など課題はあるが、人と接触することのないサービスだけに利用者には安心感がある。活用を進めていくことも一つの手立てだろう。

 感染拡大防止対策を巡っては、入館者に名前や連絡先の記入を求めることの是非も議論になった。誰でも自由に利用できるのが図書館だ。利用者の心理的なハードルになることは、できるだけ避けなければならない。保管期間などルールを明示して、慎重に運用することが必要だ。

 図書館は地域の知のインフラであり、コミュニティーの拠点だ。感染対策を徹底しながら、どのようにして読みたい人に本を届けるか。工夫を凝らしてほしい。

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